LGBTQ+ フレンドリーな街として知られ、エッジの効いた店が立ち並ぶヒルクレストとその周辺エリア。華やかな街並みの中には、ローカル御用達の古き良き名店もあり。
そんな懐の深~いヒルクレストの魅力を再発見できるスポットを厳選紹介します!
[ヒルクレストってこんな街!] 明るくて華やかなサンディエゴきっての人気タウン
ヒルクレストは、サンディエゴの中では比較的古くからコミュニティーが形成された街で、ダウンタウンを含めた一帯は、かつてユニバーシティーハイツと呼ばれていました。
ヒルクレストという名前になったのは、1906年にウィリアム・ウェスレー・ウィットソン氏が、University Ave.と5th Ave.を中心とした40エーカーあまりの土地を購入したことがきっかけ。ウィリアムが後にこの地に開業した宅地販売会社がHillcrest Companyだったことに由来します。
その後、1915年のパナマ・カリフォルニア博覧会に向けてダウンタウンの開発が進むのに比例して、ヒルクレストも発展していきます。
1973年に、ヒルクレストの南東、ゴールデンヒルに、性的少数者の健康や人権を守るThe Center for Social Service(現在のLGBT Community Center)がオープンし、74年にダウンタウンで同性愛者の行進が行われました。当時は顔を出すことを恐れて、紙袋をかぶって行進する参加者もいたと言います。その翌年、正式に街に認可された形でパレードが開催。これが、おなじみのSan Diego Pride Paradeの始まりです。
LGBT Community Centerは、1980年にヒルクレストに移転し、この街をLGBTQ+フレンドリーなコミュニティーにしていくのに一役買いました。
今でこそエッジィな印象の街ですが、1990年、もともとは百貨店、Searsのあった土地に、住宅コミュニティー、Uptown District Home Ownersが建てられたあたりから、新しい若い人たちが流れ込み、商業的で刺激的な色合いが濃くなっていったそう。
2017年で110年を迎えるヒルクレストの街。
老舗店の日本人オーナーに聞く!この界隈の今昔
かつてはショーパブが一大娯楽だった
「36年前、私たちが店を始めた当時は、『Show Beats』という店がヒルクレストにありました。昼間は普通のダイニングバーなのですが、週末の夜になるとドラァグクイーンショーをやるんです。一般の人も男性も女性も、そのためにドレスアップして観賞に行くような一大娯楽でした。その頃のLGBTQ+の人たちは、ショーなどは華やかでしたが、公の場ではもう少し控えめという印象でしたね。
街の雰囲気が今のように変わり始めたのは、Searsがなくなったあたりじゃないですかね。人口も店も増えて、活気はあるけれど、娯楽も多岐にわたるようになって、気付けば『Show Beats』もなくなってしまっていましたね。
昔はもっと店が少なかったけれど、今はいっぱい。ビジネスとしては大変な部分もありますが、時代に適応してやっていきたいなと思っています」。
変わらないミッションヒルズ
「私たちは1982年にサンディエゴに来たのですが、最初に住んだのがヒルクレストでした。その頃、5th Ave.にあったKiyo’sという日本食レストランで働いていたんです。当時、日本食レストランはサンディエゴには数えられるほどしかなかったですよ。一番大きくて有名だったのは、ダウンタウンにあったMikisanじゃないかな。畳の部屋もあって、着物を着ているサーバーがいるような昔の日本料理店でした。
ヒルクレストは、Searsがなくなって街の再開発が進んでから若い新しい人が増えましたね。一方で、私たちの店があるミッションヒルズはこの20年、そう大きくは変わっていません。昔からの住人が多く、落ち着いていると言いますか。LGBTQ+のカップルも少し年配の落ち着いた人たちがヒルクレストの喧噪を逃れてミッションヒルズに来たりします。近しいエリアですが、雰囲気がまた全然違うのが面白いところです」。
[メキシコ料理店] エルインディオ
この店なくしてサンディエゴの
メキシカンは語れない!
なんと創業77年目を迎える老舗のメキシコ料理店。今やおなじみとなった小さなタコス「タキートス」をサンディエゴに広めたのはこの店だとも言われています。売りは毎朝、店の奥で生地から作って焼いているトルティーヤ。材料はコーンと水、ライムだけで、添加物は一切なし。素朴なのにこんなにおいしいのかとトルティーヤを見直してしまうほど。カジュアルな店ですが、外には広々とした雰囲気のいいパティオがあって、価格帯以上の満足感あり。店の斜め前に無料の駐車場があります。
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3695 India St., San Diego
☎ 619-299-0333
▶ 営業:毎日8:00am-9:00pm
▶ 休:なし
http://elindiosandiego.com
[日本料理店] 一番
安い!早い!旨い!
お手軽ジャパニーズ
ヒルクレストにオープンして36年。日本人オーナーが手がける日本食店、一番は、「日本食がこんな安くていいの?」と驚くくらいの低価格をずっと維持している、ありがたい存在です。多種多様なロールすしは5.50ドル~、空腹時にしっかりお腹を満たしてくれる丼ものや、つまみにぴったりの揚げもの、アペタイザーは5ドル前後~。ランチもディナーも一人10ドルちょっとでお腹いっぱいになれます!
平日午後3~7時(金土曜は~8時)はハッピーアワーで、ロールすし3.25ドル~、ビール大瓶4ドルとさらにリーズナブルなのでお見逃しなく。
1449 University Ave., San Diego
☎ 619-299-7203
▶ 営業:月~金11:30am-9:30pm、土日11:30am-9:00pm
▶ 休:なし
http://ichibansushisandiego.com
[日本料理店] よしの
帰ってきたくなる
おふくろの味がある
今年で創業42年を迎え、親子2、3代にわたる常連もいるファミリーフレンドリーな日本料理店です。リピーターを生み出している同店きっての名物料理は「カツ丼」(右写真)と「セサミチキン」。カツ丼のトンカツは肉厚で柔らかく、衣からはふわりと出汁が香って、これぞ懐かしいおふくろの味!店の雰囲気にも家庭的な心地良さがあり、同店を行きつけにする常連客が多いのも納得です。
万一、満車の場合、2台重ねての駐車などで入るよう対応してくれることもあるので、駐車場入口にいるセキュリティーのスタッフに声をかけてみて。
1790 W. Washington St., San Diego
☎ 619-295-2232
▶ 営業:火~木11:30am-2:00pm・5:00pm-9:00pm、金11:30am-2:00pm・5:00pm-10:00pm、土5:00pm-10:00pm、日5:00pm-9:00pm
▶ 休:月
[オイル、ビネガー量り売り&アルコール店] フォムファス
品質よし!見た目もよし!で
手土産にもぴったり
さまざまな産地のオリーブオイルやフレーバーオイル、ビネガーを量り売りで買えるショップです。また、希少なフルーツリキュールやウイスキーもあり、小さな単位から買うことができます。あまりにたくさんの種類があって迷いそうですが、全部味見ができる上、店のスタッフに何でも聞けるので大丈夫。例えば、ローズのリキュールは炭酸で割るとおいしい、とか、どのオイルとビネガーを混ぜるとどんなドレッシングができる、など、新しい発見があるので、料理好きや食道楽の人に特におすすめ。商品を入れる容器も素朴でかわいらしく、ギフトとしても喜ばれるはず!
編集部が発見したおすすめは、バジルフレーバーのオリーブオイルと東南アジアの柑橘類、カラマンシーのビネガーを組み合わせて作るドレッシング。ぜひお試しを!
1050 University Ave. #E103, San Diego
☎ 619-534-5034
▶ 営業:月火木10:00am-7:00pm、水金土10:00am-8:00pm、日10:00am-6:00pm
▶ 休:なし
https://hillcrest.vomfassusa.com/
[保険エージェント] 吉野大樹インシュランス・エージェンシー
ビジネス保険、カバレッジの
充実度ならファーマーズ
ビジネスオーナーなら必ず加入しているビジネス保険、しかし、例えば飲食店で水漏れがあってしばらく店を閉めた場合、今の保険は何をどれだけカバーしてくれるか、ご存知でしょうか?
このような場合、修理代だけでなく、店を開けられなかった期間の損益の補償もあるのがファーマーズ・インシュランスの強み。また、従業員から訴訟を起こされた場合の補償(EPLI)やお客さんなど第三者に対して賠償責任が発生した場合に、補償金があるだけでなく補償範囲が広いのもファーマーズ・インシュランスの特長です。吉野大樹インシュランス・エージェンシーなら、細かな保険の内容について日本語で確認ができます。今の保険内容との比較&見積もりは無料です。何かが起こってしまう前に、保険のカバー内容を見直しませんか?
3579 5th Ave., San Diego
☎ 619-220-0700
▶ E-mail:dyamaguchi@farmersagent.com
http://www.daijuinsurance.com/
[編集長・吉田が行く!ヒルクレスト遊びスポット①] Cinema Under the Stars
デートにうってつけ!
隠れ家的な半野外劇場
建物と建物の隙間にある小さなスペースを利用した、こぢんまりとした半野外劇場です。上映ラインナップは『Breakfast at Tiffany’s』や『Casablanca』など往年の名作が多く、劇場の雰囲気も古き良きサーカス小屋みたいな趣があって、どこかノスタルジック。60席ほどある席はいずれもリクライニング対応で、ブランケット付き。親密で温かな空気に満ちているので特にデートにいいと思います!
4040 Goldfinch St., San Diego
☎ 619-295-4221
▶ 料金:会員16ドル、窓口17ドル、オンライン19ドル
※上映スケジュールはウェブサイトを確認
www.topspresents.com
[編集長・吉田が行く!ヒルクレスト遊びスポット②] Spruce St. Suspension Bridge
住宅街に突如現れる巨大な吊り橋
バンカーズヒルの洗練された住宅街を抜けるSpruce St.の途中に峡谷があり、そこに約114mの吊り橋がかかっていること、ご存知でしたか?これが下まで約20mとなかなかの高さ。しかも吊り橋なので、揺れます。地元の子たちは慣れたもので、キックボードで滑走。その度にバランスを崩して落ちやしないかとハラハラドキドキ。橋の下の峡谷はトレイルになっているので次はこちらも行きたいと思いました。街にいながらにして、ワイルドなアウトドア体験ができるのはサンディエゴらしいですね!
▶ 場所:Spruce St.と1st Ave.の交差点近く
▶ 時間:6:00am-10:00pm ※それ以外の時間は入れません
[編集長・吉田が行く!ヒルクレスト遊びスポット③] Hillcrest Farmers Market
“おいしい”と“かわいい”の宝庫!
ファーマーズ・マーケット
ヒルクレストのマーケットは、食品から雑貨までセンスのいい出店が多くていつ行ってもわくわくします!
サンディエゴに数あるファーマーズ・マーケットの中でも個性的な店が多い気がします。ここ最近の吉田のお気に入りを紹介します!
※出店店舗は変わる可能性があります。
スイーツ好きにはたまりません♡
California Cheesecake in a Cup
ニューヨークチーズケーキならぬ、カリフォルニアチーズケーキ。カップで食べるというカジュアルさがカリフォルニアらしくて、いいなと思います。味は10数種類。1カップ5ドルですが、まとめ買いすると割安になります。どれもおいしいので試食すればするほどどれも欲しくなって悩ましい…。
新感覚! ハッシュブラウンの包み焼
Stuffed Hashbrowns
一見、分厚いハッシュブラウン。切ってみると中にはベーコンやたまご、チーズ。いわゆるアメリカンブレックファストで食べるものをひとまとめにしたようなアイデア・グルメです。この取り合わせでおいしくないわけがないです!店の裏側一帯には簡易テーブルがたくさんあるので、そこで熱々をはふはふ言いながら食べるのがまたいいです。
洗練された和テイスト雑貨
Vitreum
リトルイタリーにあるギフトショップ、Vitreumの出店。花瓶、陶器、盆栽など、アートを感じるモダンな和雑貨でおなじみの店ですね。今回は折り鶴のピアスに一目惚れ。和装のアクセサリーにもよさそうです!
カリフォルニア気分満載
カラフルなガラスアート
Izi Hinds
サンディエゴの青い空の下できらきらと輝いてひと際目立っているのが、ガラスアーティスト、Izi Hindsの店。尖っていない、のびのびとした作風にすっかり心奪われました。ヒルクレストのファーマーズマーケットでは第2&第4週のみ出店。リトルイタリーでは毎週出店しているとのことです。
とりあえず試したい
ツボ刺激グッズ
Backsedator
Natural Touch Therapy Productが手がける、いわゆるツボ押しのツール、「Backsedator」を体験できます。残念ながら待ち時間があるくらいの人気ぶりだったので体験はできませんでしたが、目の前で体験した女性は「やる前と確実に体が違う」と絶賛していました。次は挑戦したいです!
[ヒルクレストイベント] Nightmare on Normal Street
今年も開催!
ハロウィーンパーティー
毎年、Normal St.で行われているハロウィーンのストリートパーティーが今年も10月28日(土)に行われます。目玉はオーディション番組『American Idol』を模したコスチューム・コンテスト。参加者の気合いの入った仮装を見るだけでも楽しいですが、思い切って参加しても盛り上がりそう。飲食のブースやDJも登場し、いつも賑やかなヒルクレストがさらに大賑わいに。お祭り騒ぎを楽しんじゃいましょう。詳細はウェブサイトで。
http://fabuloushillcrest.com/nightmare-on-normal-street
※このページは「2017年9月号ライトハウス・サンディエゴ版」掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。