計上できる経費

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事業に関連する経費は収入と相殺することで、節税につながります。しかし、間違って経費計上して調査対象となると最低過去3年にさかのぼって調査され、追徴課税されることもあります。特に悪質とみなされた場合は、多大な罰金も科されるので気を付けなければなりません。
しかし、IRS(内国歳入庁)の定める経費の定義を理解すれば「何を経費計上してよいか」比較的簡単に判断することができます。その定義は、「通常必要(Ordinary and Necessary)」であれば経費計上でき、「通常=一般的な支出」「必要=妥当な支出」とされています。何が一般的で何が妥当かはそれぞれの事業形態によって違いますが、この定義を踏まえて判断すると帳簿付けが楽になるでしょう。
また、経費計上ではなく資産計上する方法もあります。ここでは、その両者を踏まえ、一般的な経費をいくつか紹介します。

事務用品・備品(Office Supplies/Equipment)

コピー用紙、セロハンテープ、ボールペンなどは事務用品、FAXやコピー機などは備品に分類されます。各会社はその上限金額を決めており、それを超えるものは一度に経費計上せずに資産計上して、耐用年数にわたり減価償却します。

修繕維持費(Repairs&Maintenance)

賃貸物件や機械といった固定資産の状態を維持するための支出は、経費計上できます。配水管の工事や屋根の水漏れ修理、機械の定期整備などが代表的なものです。しかし、これらが固定資産の耐用年数を延ばす支出と判断された場合は、経費計上ではなく資産計上しなければなりません。

食事接待(Meals&Entertainment)

税務上では食事は出張中に発生したもの、接待は出張時以外のものを指します。税法上では両方とも実費の50%を経費計上できます。両者とも領収書を残し、接待は誰に対してどのような目的かまで明確に記録する必要があります。

ユニフォーム

ビジネスパーソンのスーツや美容師が勤務中に着る私服などは経費計上できません。なぜなら、ユニフォームは会社の名前が入っていたり、白衣や制服といったその職種特有のものでならないからです。一般的に仕事以外でも着られる衣服は経費計上できません。

個人支出(Personal Expenses)

基本的には経費計上できませんが、家を事務所代わりに使用している場合や車を仕事目的で使用している場合は経費計上可能です。
家は、一角がビジネス専用の目的で使われていなければならず、総面積に占める営利使用の面積の割合を実際に支払った住宅貸付の金利、保険、光熱費、修繕費などから経費計上できます。
車は、個人目的で全く使用しない場合のみ、車に関する費用全てを計上できます。仕事と個人両用の場合は、仕事目的の使用のみを関連費用から計上します。標準マイルレート(事業用の走行マイル×標準率)を用いるのが一般的で、2014年は1マイルで56セントです。通勤は仕事目的と考えられないので、気を付けましょう。

日割換算(Per Diem Rate)

出張先と日付によって経費計上できる金額をIRSが定めています。例えば、ニューヨーク市内へ2014年3月に出張した場合に計上できる1日の経費の上限は宿泊代が267ドル、食事は71ドルと定められています。これは国外も同様で、東京23区内だと、通年で1日あたり宿泊代205ドル、食事187ドルが上限です。日割換算を選択する場合は、実費の代わりにこれらの率を使用しなければならず、一度日割換算を選択すると1年間この換算法を使い続けなければなりません。
 
(2014年4月1日号掲載)

石上洋◎米国公認会計士
カリフォルニア州立大学ロングビーチ校を卒業後、大手監査法人、現地会計事務所パートナーを経て石上・石上越智会計事務所を設立。税務をメインに事業を展開。
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※本コラムは、税に関する一般的な知識を解説しています。個別のケースについては、専門家に相談することをおすすめします。ライトハウス編集部は、本コラムによるいかなる損害に対しても責任を負いません。

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