日本では全国一律の消費税ですが、連邦国家制のアメリカでは、消費税(Sales Tax)あるいは使用税(Use Tax)は各州、各市によって変わってきます。一体、どのような時に、どうやって支払わなければならないのでしょうか?
カリフォルニア州で不動産以外の有形資産を購入する際は、必ず消費税か使用税を支払います。両者の税率は同じですが、州内でも場所によって税率が異なります。州だけでなく郡や市単位でも課税することがあるからです。
州の税率は7.5%、それに、ロサンゼルス郡は1.5%を加え9%、サンディエゴ郡は0.5%を加え8%の税率となります。ロサンゼルス郡カルバーシティーなどは市でも課税するので、さらに0.5%を加え、9.5%の税率となります。
有形資産の販売者
個人、法人、パートナーシップ、小売り、卸売り、どんな形態や事業内容でも有形資産の販売が目的の場合、販売許可証を取得する必要があります。許可証を取得すると、州内での有形資産の販売許可に加え、卸売り目的で商品を購入する際に税金が免除されます。
有形資産の販売者は、州や郡、市の代わりに税を徴収しているので、顧客から徴収した税を決められた期限までにBoard of Equalization(消費税などを管轄する団体)へ納めなければなりません。許可証の取得時に申告した推定所得を基に毎月、毎四半期、毎年1回と納税頻度が定められます。売上がない場合はゼロ申告しなければなりません。申告期日を過ぎると利子と罰金を科される恐れがあります。
また、有形資産売買に関する書類は、最低4年保管しなければなりません。
消費税とは
消費税は、小売業者が有形資産を販売したときに課され、小売業者は顧客から消費税を徴収します。小売業者が商品の定価を割り引いて売る場合は割引後の金額に消費税がかかり、製造元や卸売業者によって割り引かれた商品を小売業者が売る場合は割引前の金額に消費税がかかります。つまり、誰が割り引くかによって消費税額は変わってくるのです。
また、カリフォルニア州では以下の場合は消費税が免除となります。
①再販売目的の販売(卸売業などで再販売許可証の取得が必要)、②持ち帰り用の冷たい食べ物、③改装や設置のための労働費用、④政府への販売、⑤州外、または海外への販売
使用税とは
消費者がカリフォルニア州内での使用を目的に州外で購入した有形資産、またはカリフォルニア州内で小売店を通さず購入した中古商品などには使用税を支払わなければなりません。
例えば、消費者がカリフォルニア州で使用するコンピューターをニューヨークの会社のオンラインショップで購入した場合、この会社はカリフォルニア州に使用税を納める必要があります。税法上はニューヨークの会社がカリフォルニア州で事業を営んだことになり、会社は消費者から使用税を徴収しなければなりません。この時、カリフォルニア州の消費者はニューヨークの消費税を払う必要がなく、支払い時には商品代とカリフォルニア州の使用税を支払います。
一方、消費者がカリフォルニア州で使用するコンピューターをニューヨークの小売店店頭で買う場合、ニューヨークの消費税を払います。消費税は取引が行われた場所で発生すると考えられているからです。カリフォルニア州の使用税を払う必要はありません。
また、車を個人売買した際、そのときの時価を自己申告してDMVで支払う税金も使用税です。
(2016年7月1日号掲載)
※本コラムは、税に関する一般的な知識を解説しています。個別のケースについては、専門家に相談することをおすすめします。ライトハウス編集部は、本コラムによるいかなる損害に対しても責任を負いません。