米国市民権を保持する家族をスポンサーにした永住権の申請・取得手続き

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家族をスポンサーにした永住権申請の詳細と取得までの期間

吉原 今日子 弁護士

Q:長女がアメリカ市民権を保持し、アメリカで暮らしています。長女を通してグリーンカードを取り、日本国籍の19歳の次女と共に、家族で米国で暮らしたいと思っています。私と次女は、グリーンカードを取るのにどのよ うな手続きが必要ですか?また、どれ くらいの期間を要しますか?

A:家族申請における永住権申請 は、いくつかのカテゴリーに分 かれています。米国市民の21歳以下の子供、配偶者、両親は、最優先の位置付けとなり、それ以外は以下のように順位付けられています。
 
第1優先(First Preference)
米国市民の21歳以上の未婚の子供
 
第2優先A(Second Preference A)
永住権保持者の配偶者、または21歳 未満の子供
 
第2優先B(Second Preference B)
永住権保持者の21歳以上の未婚の子 供
 
第3優先(Third Preference)
米国市民の既婚の子供
 
第4優先(Fourth Preference)
米国市民の兄弟姉妹(この場合、市民 は21歳以上でなければなりません)
 
米国市民が永住権の家族申請をする場合、2つ重要な条件があります。まず1つは、米国市民が21歳以上であることです。
 
もう1つの条件は、スポンサーをす る米国市民が、経済的に援助するだけの十分な収入があると証明できることです。これは、ガイドラインによると、生活保護が必要とされる収入額の125%以上の収入が必要です。
 
例えば、あなたの長女の場合、親であるあなたをサポートするためには、年間最低限1万8212ドルの収入がなければなりません。また、次女もサポートするのであれば、2万2887ドルの収入が必要です。
 
また、米国市民にこの経済能力がない場合は、親や友人などを「ジョイントスポンサー」に付けることもできます。ただし、ジョイントスポンサーは米国市民、または永住権保持者に限ります。
 
なお、スポンサーは、永住権取得者が生活保護などの援助を受けた場合、それを返済する義務があります。これは、永住権取得者が、①米国市民になる、②永住権を破棄し、アメリカを離れる、③死亡する、まで続きます。
 
あなたは米国市民の親なので、「米国市民の21歳以下の子供、配偶者、両親」の最優先カテゴリーに当てはまります。通常申請開始から半年から1年で、永住権取得が可能です。申請の際には、申請書、申請料のほかに、出生証明、健康診断書などを提出します。提出後、約1カ月後には指紋採取通知が来ます。
 
申請後、約2~3カ月で、労働許可(Employment Authorization)と再入国許可(Advance Parole)が取得できます。その後、問題がなければ数カ月後に、面接通知が送られてきます。面接には親子で出頭し、親子関係を証明する書類などを持参します。面接が無事終了すると、グリーンカードが数週間後に郵送されてきます。
 
移民法201条によって、年間何人に永住権を与えるか定められているため、移民局に永住権申請をしてから取得まで、一定の期間待たされるのが現状です。

第4優先での申請の場合、取得までビザの保持が必要

あなたの次女の場合は、姉である長女が米国市民ですから、「米国市民の兄弟姉妹」の第4優先に当てはまります。第4優先での申請には、移民局に「I-130」という書類を提出してから「優先日(Priority Date)」が回ってくるまで、第2段階の審査を待たなければなりません。
 
第2段階の審査とは、永住権の最終審査です。現在、第4優先の申請者のPriority Dateは、2002年1月1日となっています(2010年12月15日時点)。従って、待ち時間は9年ということになります。Priority Dateは、毎月Department of Stateによって発表され、ウェブサイトなどで調べることができます。
 
次女の娘さんは、何らかのビザで米国に滞在していれば、移民局からPriority Dateが発表された時点で、ステータスの変更(Adjustment of Status)を申請することができます。この場合、申請後約2~3カ月で、労働許可と再入国許可が取得できます。ステータス変更によって、申請後約9カ月から1年で、永住権取得ができます。
 
もし、あなたが永住権を取得できるタイミングで、一家揃って米国での暮らしを始めたいとお考えなら、次女の娘さんは、永住権が取得できるまで、合法的に米国に滞在できる何らかのビザ(F-1ビザなど)を取得、維持しなければなりません。
 
(2011年1月16日掲載)

米国市民権を保持する娘を通して永住権取得手続きは?

吉原 今日子 弁護士

Q:私の長女は、米国市民権を保持し、アメリカで暮らしています。私は、娘を通して永住権(グリーンカード)を取り、家族(日本国籍の次女・19歳を含む)でアメリカで暮らしたいと思っています。私と次女は、グリーンカードを取るのにどのような手続きが必要ですか? また、取得にはどれくらいの期間を要しますか?教えてください。

A:家族申請における永住権申請は、いくつかのカテゴリーに分かれています。アメリカ市民の21歳以下の子供、配偶者、両親は、「最優先」となり、それ以外は以下のように順位付けられています。
 
・第1優先(First Preference)アメリカ市民の未婚の子供(21歳以上)
・第2優先A(Second Preference A)永住権保持者の配偶者、または子供(21歳未満)
・第2優先B(Second Preference B)永住権保持者の未婚の子供(21歳以上)
・第3優先(Third Preference)アメリカ市民の既婚の子供
・第4優先(Fourth Preference)アメリカ市民(21歳以上)の兄弟姉妹
 
アメリカ市民が永住権の家族申請をする場合、2つ重要な条件があります。まず1つは、アメリカ市民が21歳以上であること、第2の条件は、スポンサーをする市民が、経済的にサポートするだけの収入が十分にあると証明できることです。ガイドラインによると、生活保護が必要になる収入の125%以上が必要です。
 
例えば、あなたの長女の場合、あなたをサポートするためには、最低でも年間1万7500 ドルの収入がなければなりません。また、次女もサポートするのであれば、年間2万2000 ドルの収入が必要です。なお、サポートするだけの経済能力がない場合は、親、友人などを「ジョイント・スポンサー」に付けることも可能です。ただし、ジョイント・スポンサーは、アメリカ市民、または永住権保持者に限ります。
 
スポンサーになった人は、永住権取得者が生活保護などの援助を受けた場合、その金額分を返済する義務が出てきます。この義務は、永住権申請者が、①アメリカ市民になる、②永住権を破棄し、アメリカを離れる、③死亡する、などの状況になるまで続きます。

あなたは最優先枠、次女は第4優先枠

あなたはアメリカ市民の両親なので、最優先枠になります。なので、アメリカに入国すれば、申請から通常半年から1年で、永住権を取ることが可能です。申請の際には、申請書、申請料のほかに、出生証明、健康診断書、などを提出しなければなりません。
 
書類を移民局に提出後、約1カ月後には指紋採取通知が来ます。この通知に記載されている日時に、移民局へ指紋を提出します。申請後、約2~3カ月で、労働許可(Employment Authorization)と再入国許可(AdvanceParole)が取得できます。その後、問題がなければ、数カ月後に面接通知が送られてきます。
 
面接日には、親子で出頭し、親子関係を証明する書類などを持参しなければなりません。面接が無事終了すれば、実際のグリーンカードは、数週間後に自宅に郵送されてきます。
 
移民法の201 条によって、年間でどれだけの人数に永住権を与えるかが定められているため、取得まで一定期間待たされているのが現状です。あなたの次女の場合は、兄弟姉妹(長女)が市民権を保持しているので、第4優先に当てはまります。第4優先で申請をするためには、移民局に「I-130」という書類を提出してから優先順位日(Priority Date)が回ってくるまで、第2段階の審査を待たなければなりません。第2段階の審査とは、グリーンカードの最終的審査です。現在、第4優先の申請者のPriority Date は、1998 年6月8日となっています。従って、待ち時間は10 年以上になっています。
 
Priority Date は、毎月国務省によって発表され、インターネットなどで調べることができます。このように移民局から優先順位日が発表されれば、次女は(何らかのビザを持ってアメリカにいれば)この時点でステータス変更(Adjustment of Status)を申請することができます。申請後、約2~3カ月で労働許可と再入国許可が取得できます。ステータス変更の申請後、約9カ月から1年で、グリーンカードを取得することができます。
 
もしあなたがグリーンカードを取るタイミングで、アメリカでの暮らしを始めたいと思っているなら、あなたの次女は、グリーンカードが取れるまで何らかのビザ(F-1ビザなど)を所持して、アメリカに滞在しなければなりません。

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