冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点

米政治ジャーナリストの冷泉彰彦が、日米の政治や社会状況を独自の視点から鋭く分析!
日米の課題や私たち在米邦人の果たす役割について、わかりやすく解説する連載コラム

冷泉 彰彦
冷泉 彰彦

プリンストン日本語学校高等部主任。『Newsweek日本版』コラムニスト。

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人気のJRパス対象厳格化の背景は?

魅力的なJRパス対象は外国人観光客のみに 日本に一時帰国した際に、ジャパン・レール・パス(通称JRパス)を利用したことのある人は多いのではないだろうか。何と言っても値段がお得で、1週間有効のもので2万9110円である。例えば東京から京都を新幹線「ひかり」で往復すると2万6160円。成田エクスプレスで成田空港から都内までは片道約3000円なので、これらを使うだ … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「人気のJRパス対象厳格化の背景は?」の続きを読む

要注意、日本の冠婚葬祭マナーの変化

知らないと恥ずかしい? 年賀状の新習慣   日本の冠婚葬祭というと、伝統のルールがキチンと決まっていると思いがちだ。滞米年数にもよるが、例えば10年とか20年という長期間アメリカで暮らしていても、自分が日本にいた時代の記憶から、日本の冠婚葬祭はこうであると、割合に自信を持って説明してしまうことがある。まして、滞米年数が10年未満の人なら、特に自分の理解に疑問 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「要注意、日本の冠婚葬祭マナーの変化」の続きを読む

大会終了の噂が絶えないWBC

WBC継続を阻むいくつもの問題 2017年は第4回目のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の開催年に当たる。これまでの開催地は、 2006年の第1回から順にサンディエゴ、LA、そしてサンフランシスコとカリフォルニアを北上してきたが、今回はLAに戻って09年同様にドジャースタジアムで3月20日から決勝ラウンドが行われる。日本の代表チーム「侍ジャパン」は … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「大会終了の噂が絶えないWBC」の続きを読む

ドナルド・トランプ氏の当選で大きく揺れる日本

株、円、ゴールドで起きた日本特有の現象 11月8日の大統領選でドナルド・トランプ氏が当選した。予想外の結果に日本は大きく揺れている。   まず、株価が暴落した。偶然、トランプ氏の当選が確実になった時間帯に、東京市場がオープンしていたということもあるが、東京株式市場で日経平均株価は大幅に下落して、その日の終値は前日と比較して、919円84銭安、これは率で言うと … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「ドナルド・トランプ氏の当選で大きく揺れる日本」の続きを読む

日本で突然発生した二重国籍バッシング

1985年以前と以降の日本の二重国籍の扱い 日本人が世界で活躍するようになり、国際結婚が増えたり、外国で生まれた日本人が増える中で、二重国籍になる人も増えている。例えば、アメリカは「出生地主義」といって、アメリカ国内で生まれた人間は自動的に「市民」つまり米国籍者となるが、日本は「血統主義」で、親が日本人であれば日本国籍が取得でき、アメリカで生まれた日本人の子 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「日本で突然発生した二重国籍バッシング」の続きを読む

アメリカへの日本の新幹線輸出が難しい理由

アメリカで進む高速鉄道網の推進と計画   2009年に発足したオバマ政権は、景気刺激策と環境対策として、全国に「高速鉄道網」を推進する計画を打ち出した。今回の大統領選でも、民主党のヒラリー・クリントン、そして撤退したバーニー・サンダースの両候補は、同じように高速鉄道の推進を政策として掲げている。   そこで、日本のJR各社などは、定評のある日本の「新幹線」を … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「アメリカへの日本の新幹線輸出が難しい理由」の続きを読む

日本からアメリカへの留学生6割減という衝撃

少子化、内向き、不景気海外留学に立ちはだかる壁 日本からアメリカへの留学生が減っている。長年にわたって、日本からアメリカへの留学を支援してきたフルブライト・ジャパン(日米教育委員会)のデータによれば、2014年の留学生数は1万9064人に留まっている。これは、ピークだった1997年の4万7073人と比較すると40.5%に過ぎない。つまり、20年弱で半減どころ … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「日本からアメリカへの留学生6割減という衝撃」の続きを読む

ちょっと待ってほしい、異常な「ハーフ美女人気」

国際化?内向き?日本のハーフ美女人気 日本の芸能界では、ここのところ「ハーフ」や「クォーター」のタレントの人気が加熱している。クリステル、ベッキー、ローラ、ダレノガレ、アリー、トリンドル、クリスティーン…とにかく、そうしたカタカナの名前がバラエティー番組や情報番組にあふれている。この7月の参議院選挙では西日本の全県区で、日米ハーフである30代前半の女性が43 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「ちょっと待ってほしい、異常な「ハーフ美女人気」」の続きを読む

世界の常識と違う道を歩む日本の「トイレ事情」

独自に進化する日本のトイレと訪日外国人の反応 日本人の「清潔好き」は自他共に認めるところだと思うが特にこの文化がよく現れているのが「トイレ事情」だろう。例えばトイレや洗面設備に関する日本の企業は、国際的にも評価されており、日本を代表する産業の一つになっている。   自動検知で水を流すトイレや、便座のフタの開け閉めが自動になるなど、さまざまなイノベーションが日 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「世界の常識と違う道を歩む日本の「トイレ事情」」の続きを読む

日本でも高まる米大統領選への関心

オバマ登場より話題になるドナルド・トランプの躍進 日米関係の重要性を考えると、アメリカの大統領選が日本で大きな関心を呼ぶのは当然と言える。例えば、2008年にオバマ大統領対ヒラリー・クリントン氏の予備選が盛り上がり、さらに黒人初の大統領としてオバマ氏が当選した際には、日本でも多くの関心を集めることとなった。   今回の大統領選は、その「オバマ登場」の08年以 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「日本でも高まる米大統領選への関心」の続きを読む

「マイナス金利」に「株安」、2016年の日本経済はどうなる?

原油価格や中国経済に翻弄される日本の円安策 有名な「アベノミクス」がスタートしたのは、2012年の1月。日銀の黒田総裁は、簡単に言えば日本円の流通量を増やすことで、円の価値を「他の国の通貨」に対して下げる、つまり「円安」を実現することに成功した。   実際に「円=ドル」の交換レートは1ドルが79円(11年11月)から、121円(16年1月)まで大きく下がった … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「「マイナス金利」に「株安」、2016年の日本経済はどうなる?」の続きを読む

日本の地名「英語表記」のウラの 大論争とは?

Tokyoの区分はシティ?それともメトロポリス 日本へ旅行する外国人が激増する中で、日本の地名についても世界的に知られるようになった。Tokyoにしても、Kyotoにしても世界の都市の中で知名度としては相当に上位に入るだろうし、Mt. Fujiにしてもユニークな形とともに有名である。特にアメリカでは、日本のカルチャーが人気を保つ中で、日本の地名に関する知識は … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「日本の地名「英語表記」のウラの 大論争とは?」の続きを読む

揺れ動く日本の交通機関マナーに垣間見える世相の変化

自動改札の利用時にはICカードの残高に要注意 アメリカ生活が長くなると、満員電車に代表される日本の「交通機関でのマナー」を忘れてしまうことがある。久しぶりに日本に帰国した時に「ウッカリ」アメリカ式にやってしまって「しまった」という経験をした方は多いのではないだろうか。今回は、この日本の「交通機関のマナー」について考えてみたい。   まず、大都市を中心に日本の … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「揺れ動く日本の交通機関マナーに垣間見える世相の変化」の続きを読む

日本の「おひとりさま」カルチャーは「クールジャパン」のひとつ?

ベストセラー本契機に飲食店で浸透 2005年頃から、日本では「おひとりさま」という言葉が流行し始めた。一つには生涯独身率がアップしていくことで、一人暮らしの高齢者として生きていく際の心構えなどへの関心が増してきたということがある。この「おひとりさま」という言葉については、上野千鶴子さんの『おひとりさまの老後』(2007年)という本がベストセラーになったことで … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「日本の「おひとりさま」カルチャーは「クールジャパン」のひとつ?」の続きを読む

アメリカとは少し違う日本のハロウィーン事情

日本は商業イベントが先行子どもへの普及は今ひとつ 以前から普及しているクリスマスと違って、ハロウィーンの祭りについては日本では長い間マイナーな存在だった。一部を除くと、ハロウィーンというイベント自体があまり知られていなかったのだ。   だが、ここ数年の間に日本でもハロウィーンが急速に普及している。一つには東京ディズニーランド(TDL)や大阪のユニバーサルスタ … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「アメリカとは少し違う日本のハロウィーン事情」の続きを読む

日本の「マイナンバー制度」 海外在住者への影響は?

日本国内での健康保険や年金、災害対策上の管理などに利用 アメリカでは、SSN(ソーシャル・セキュリティ・ナンバー)というものがあって、公的年金と納税の管理のために使われている。これに加えて、金融機関における信用管理や、運転免許証の本人確認などSSNの利用範囲は拡大してきている。   一方で、日本ではこのような制度は「国民総背番号制」だとか「プライバシーが侵害 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「日本の「マイナンバー制度」 海外在住者への影響は?」の続きを読む

成田空港が米国便の 「プリクリアランス」対象空港に!?

「プリクリアランス」対象でどのようなメリットがある? カナダや、カリブ海諸国などへ旅行してアメリカに戻る際に「プリクリアランス(事前入国審査)」を経験した方は多いと思う。例えば、トロント国際空港の場合では、米国行きの乗客については搭乗する前に、米国の入国審査と税関検査がある。5月末に米国国務省は、この「プリクリアランス」の対象空港を拡大することを発表した。 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「成田空港が米国便の 「プリクリアランス」対象空港に!?」の続きを読む

日本のIT産業は なぜアメリカに勝てなかったのか?

ソフト面でのイノベーションで遅れを取ってしまった日本 任天堂の岩田聡社長が55歳で逝去し、全世界がその若すぎる死を悼んだ。この任天堂をはじめ、ソニー、セガ、スクエア・エニックスなど日本の「ゲーム機・ゲームソフト」産業で、世界的に有名な企業は多い。   だが、コンピュータ技術全般、いわゆるIT産業全般ということになると、日本企業の存在感は今ひとつである。 反対 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「日本のIT産業は なぜアメリカに勝てなかったのか?」の続きを読む

「日本酒は日本製に限る」は果たして正しいのか?

シャンパンはシャンパーニュで作られたもののみ。日本酒は? 食料品などのブランド名には、土地の名前を冠することがよくある。その中で、ワインやスピリッツなどの酒類は、スコッチとか、ボルドー、ナパなど、土地の名前とブランドイメージが密接に結びついているものが多い。   こうしたブランドを守るために、1990年代にWTO(世界貿易機関)は、「地理的表示」という考え方 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「「日本酒は日本製に限る」は果たして正しいのか?」の続きを読む

東京が構想する「国際化」は疑問がいっぱい

日本に来る観光客は東京でカジノに行きたいか? 東京の中心部を「外国人が住みやすい特区にしよう」という構想は以前からあった。外資系の企業を誘致しようとか、その場合に「英語で診療が受けられるように外国人医師の医療行為を可能にする」というアイデアなどだ。   また、2020年東京五輪の招致が決定してから、同じように「五輪特区」的なアイデアが検討されている。例えば、 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「東京が構想する「国際化」は疑問がいっぱい」の続きを読む

日本ではどうして「不謹慎狩り」が起きるのか?

熊本地震以来、日本で広まる「不謹慎狩り」 4月14日に熊本地震が発生して以来、「不謹慎狩り」という耳慣れない言葉が一気に流行語になった。この「不謹慎狩り」だが、実はよく見ていくと3種類ぐらいのパターンがあるよう だ。   1つは、「地震で困っている人がいるのに楽しそうにするのは不謹慎だ」というものだ。地震の発生直後に、SNSに「笑顔」を投稿した芸能人が批判さ … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「日本ではどうして「不謹慎狩り」が起きるのか?」の続きを読む

日本の「人気者引きずり下ろし」はいつまで続くのか?

人気者引きずり下ろしの背景にあるもの ここ数年、日本では「人気者の引きずり下ろし」という現象が続いている。人気の高い芸能人や、社会的に評価のある人物に「スキャンダル」が報じられると、猛烈な勢いでバッシング報道が始まり、再起不能になるまで叩かれる、そんな現象だ。   もちろん、スキャンダル報道は昔からあったし、スキャンダルによって人気を失ったり、その結果として … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「日本の「人気者引きずり下ろし」はいつまで続くのか?」の続きを読む

時代によって変わりゆく日本人の名前について考える

昭和時代には明治時代の名前が古臭かった 日本語が時代によって変化するように、日本人の名前も変化が激しい。例えば、2014年に日本で生まれた赤ちゃんの「名前ランキング」を調べてみると、男の子のベスト3は「大翔(ひろと、はると)」「悠真(ゆうま、はるま)」「悠人(ゆうと、はると)」、女の子のベスト3は「葵(あおい)」「楓(かえで)」「結衣(ゆい)」となっている。 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「時代によって変わりゆく日本人の名前について考える」の続きを読む

日本政府は「在外邦人」をどこまで保護したらいいのか?

日本政府や在外公館は邦人保護に努力しているが… 2月に発生したシリア領内における日本人2名の人質殺害事件は、日本だけでなく国際社会に衝撃を与えた。事件の結果を重く見た日本政府は、改めて「在外邦人」の保護に関する体制の見直しを行っている。   例えば、外務省は「日本人、日本企業、及び日本人学校等の我が国の関係機関や組織がテロを含むさまざまな事件に巻き込まれる危 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「日本政府は「在外邦人」をどこまで保護したらいいのか?」の続きを読む

東京一極集中はなぜ起こってしまうのか?

人口も経済も大学も全てが東京に集中する現状 昨年発表された増田寛也元総務大臣の著書『地方消滅』(中央公論新社)が、日本で大きな話題を呼んだ。全国の地方で過疎高齢化が進むと、市町村の半数が2040年までに「消滅」してしまうというシミュレーションをした内容には説得力があったからだ。   増田氏も指摘している通り、問題は東京一極集中にある。だが、この傾向は全く改善 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「東京一極集中はなぜ起こってしまうのか?」の続きを読む

「バター不足」の背景にある日本の農業全体の深刻な問題

バターが不足の原因は酪農農家の高齢化と… バターが品薄となってしまい、隙間も目立つスーパーの陳列棚 日本全国の食料品スーパーで今、「バター」が不足している。棚が空の場合が多いし、仮にあっても「お一人様一本限り」という制限があることが多い。   似たような現象は、実は10年前にもあった。そのときは「デジタル家電ブーム」などで日本の景気は比較的良かったので、食品 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「「バター不足」の背景にある日本の農業全体の深刻な問題」の続きを読む

日米航空路線の「機内サービス」をどうする?

日米の乗客共に内向き志向になっている? 何十年も日米の間を往復してきた私には、この間の日米航空路線の「様変わり」にはいろいろと気になるところがある。まず感じるのは、大型機のジャンボが一部の米系航空会社を除いて退役して、777や787といった省エネ型の機材に変わっていったことだ。これは、スマートな変更であり、歓迎したい動きと言える。   一方で、最近顕著なのは … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「日米航空路線の「機内サービス」をどうする?」の続きを読む