アメリカの大学では、入学審査の際にアドミッション・インタビュー(面接)を行う場合があります。面接を義務付けている大学はほとんどありませんが、希望者に対して面接を実施する大学は数多くあります。今回は、面接の受け方について解説します。
大学の面接の目的とは
面接は入学審査の一部として実施されますが、面接での受け答えが合否に直接影響することは、ほとんどありません。また、面接は、単に大学が学生を評価するだけではなく、学生に大学を評価する機会を提供する側面も重要です。
大学が最も評価したいのは、学生の関心度です。大学は、進学を強く希望する学生、すなわち関心度の高い学生をアドミッションで優遇する傾向がありますが、その関心度を測る手段のひとつとして面接が利用されます。一方、大学が学生に評価してもらいたいポイントは相性です。面接を通じて大学についての理解を深め、自分に合うかどうかを学生に判断してもらうことも、面接の重要な目的なのです。
さまざまな面接の受け方
面接は、大学のアドミッション担当者が行う場合と、大学の卒業生が行う場合があります。どちらも基本的に一対一で行われます。面接の時間は、30分程度が一般的です。
大学のアドミッション担当者との面接は、オンキャンパス、オフキャンパス、オンラインの3通りの方法があります。オンキャンパスの面接は、学生自ら大学に出向いて受けます。面接を受けるためだけにキャンパスを訪問する学生は少ないですが、大学見学のついでに面接を受けることは可能です。オフキャンパスの面接は、アドミッション担当者が自分の住んでいる地域を訪問する際に受けます。アドミッション担当者は学生獲得のため各地を訪問するので、もし近所に来ることがあればぜひ利用したい方法です。オンラインの面接は、SkypeやZoom、Google Hangoutsなどのオンライン会議システムを利用して受けます。自宅で面接が受けられるので、とても便利な方法です。
アドミッションの面接で最もポピュラーなのは、大学の卒業生が面接を行う方法です。大学から紹介された近所に住んでいる卒業生に連絡を取り、スターバックスなどで待ち合わせをして会話をします。卒業生との面接は、大学職員の視点ではなく卒業生の視点で話が聞ける点で学生にとって非常に価値のある方法です。また、大学にとってもアドミッション担当者の時間を割かずに数多くの面接ができるため、広く活用されています。
面接は自分からリクエスト
面接は、大学からお勧めされる場合もありますが、自分からリクエストするのが一般的です。そこで、まずは、自分が志望する大学が面接を行っているか確認します。大学によっては、アドミッションのウェブサイトに面接の有無やリクエスト方法について明示しているので、その場合はアドミッションの指示に従ってください。特に記載がない場合は、アドミッションに連絡をして、面接が受けられるか聞くことをお勧めします。面接の予約は出願後に受け付ける大学もありますが、多くの大学では出願前から受け付けているので、出願の意思が固まったら、早めに面接の確認をすると良いでしょう。
面接で必ず聞かれること
面接を受ける際に、次の3つの質問に対する答えを用意しておきましょう。
① Tell me about yourself.(自己紹介)
② Why are you interestedin our college?(志望理由)
③What can I tell you aboutour college?(質問)
30分の面接に臨むのに、この3つだけでいいのかと思われるかもしれませんが、これで十分です。面接とは、相手の質問に答える場と考えがちですが、アドミッションの面接はそうではありません。実は、面接で最も重要なのは相手に質問をすることなのです。つまり、3番目の質問の答えを数多く用意しておくこと、これがポイントです。
30分の面接が、ほとんどこちらからの質問だけで終わっても全く問題ありません。大学の面接の目的は学生の関心度を見極めることと、自分との相性を見極めてもらうことであり、その目的はすでに十分果たされているからです。
そして、最も大切なことは会話を楽しむことです。自分が進学する可能性のある大学について詳しい話が聞けるのは有意義なことです。質問をたくさん用意して臨めば、面接で失敗することはありません。積極的に面接を受けて、会話を楽しんでください。
(2019年7月16日号掲載)