(2025年4月号掲載)
アメリカの大学の入学審査(アドミッション)は基本的に書類審査で、その書類はオンラインで提出される場合がほとんどです。近年は複数の大学で共通で利用できるアプリケーション・システムを採用する大学が大半を占めています。
アプリケーション・フォーム
本人が提出するアプリケーション・フォームには、個人・家族の情報、学校の成績、テストスコア、課外活動の履歴、エッセイなどが含まれます。入力した基本情報は、そのシステムを通じてアプライする全ての大学に提出することになります。入学審査において最も重要なパーソナル・エッセイについても、アプライする各大学に同じエッセイを提出できます。
ただし、大学ごとに個別に提出するフォームもあります。希望する専攻、テストスコア、奨学金の希望の有無など、各大学が知りたいことを記入します。個別フォームで、追加のエッセイを要求する大学も少なくありません。
追加書類の提出
提出する追加書類の内容は、大学により多少異なります。以下はカリフォルニア州のPomona Collegeの例です。
ACT/SAT:Optional
スクールレポート:Required
推薦状(カウンセラー):Required
推薦状(教員):2 Required、0 Optional
推薦状(その他):0 Required、1 Optional
スクールレポートには、本人の成績に加えて、高校の紹介などが含まれます。推薦状(教員)は、主要教科の先生に書いてもらうのが一般的です。2通用意すれば、全ての大学に対応可能です。音楽や体育、部活動の先生にも書いてもらう場合は、推薦状(その他)の方に加えます。先生は、同じ推薦状を全ての大学にオンラインで提出できます。アプライする大学が増えても、先生の負担が大きくなるわけではありません。
共通アプリケーションの種類
最も多くの大学に採用されているアプリケーション・システムがCommon App(コモン・アプリケーション)です。アメリカの大学だけで、1000校以上が採用しています。2024-25年度は、約123万人の学生がCommon Appを利用して出願しました。
Common Appの次に多くの大学が採用しているシステムがCoalitionです。Coalitionは、学生の卒業率や低所得ファミリーへの経済的支援など、大学が一定の条件を満たさないと加盟できないこともあり、大学数はCommon Appよりもかなり少ないですが、名門大学の多くが採用しています。
複数のアプリケーション・システムを採用する大学も、少なくありません。どのシステムを選んでも結果に違いはありませんが、採用大学数が最も多いCommon Appを最初に選ぶのが、一般的です。Common Appでは、最大20校までアプライできます。もし、20校を超えてアプライしたい場合は、Coalitionなど他のアプリケーション・システムと組み合わせることになります。
(2025年4月号掲載)
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