共通出願システムの種類と特徴

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アメリカの大学では、出願書類をオンラインで受け付けます。最近は、1つの出願システムで複数の大学にアプライできる共通出願システムを採用する大学が増えています。また、複数の共通出願システムを採用して、学生の出願方法の自由度を高めている大学もあります。今回は、アメリカの大学が採用している主要な共通出願システムをご紹介します。

コモン・アプリケーション

コモン・アプリケーションは、最も多くの大学で採用されている共通出願システムで、年間100万人以上の学生が利用しています。40年前に15校でスタートしたコモン・アプリケーションは、当初はアイビー・リーグを始め難関私立大学に出願するためのシステムとして知られていましたが、近年は公立大学でも採用する大学が増えています。2018〜19年度は、全米で603校の私立大学と193校の公立大学で導入されています。

コモン・アプリケーションは、利用する学生の増加に伴い、米国外の大学からも注目されるようになりました。現在は、イギリスやカナダなど20カ国61校の海外大学で採用されています。日本では、同志社大学とテンプル大学ジャパンが導入しています。

コアリション・アプリケーション

コアリション・アプリケーションは、16年秋のアドミッションから採用された、新しい出願システムです。全米の名門大学のアドミッション担当者が「コアリション」というグループを作り、これからの時代にふさわしいアドミッションの方法について検討を行い、そこから生まれた共通出願システムです。近年主流となっているアドミッションの双方向化を促し、より包括的な人物評価を行うことを目的に開発されました。

コアリションには、主要な総合大学やリベラルアーツ・カレッジなどが加盟しています。当初80校でスタートしましたが、その後徐々に増えて18〜19年度は147校(私立94校、公立53校)が加盟しています。

ユニバーサル・カレッジ・アプリケーション

ユニバーサル・カレッジ・アプリケーションも共通出願システムのひとつです。エッセイや推薦状が不要なアドミッションにも対応できることから、より自由度の高い出願システムを求める大学を中心に採用されてきました。

最近は、コモン・アプリケーションとの違いがあまりなくなったことと、コアリションの台頭により、ユニバーサル・カレッジ・アプリケーションを採用する大学は減り、18〜19年度の採用大学は17校です。

地域特化型の出願システム

特定の地域、学校群を対象とした共通出願システムを採用する大学もあります。例えば、Apply Texasは、テキサス州内の公立大学や私立大学、コミュニティーカレッジ等にアプライする際に利用する出願システムです。州内の61校の4年制大学と64校の2年制大学が採用しています。Apply SUNYは、ニューヨーク州立大学および州内のコミュニティーカレッジにアプライする際に利用する出願システムです。州内の30校の4年制大学と28校の2年制大学が採用しています。Cal State Apply は、カリフォルニア州立大学群の23校に出願するためのシステムです。また、州立のカリフォルニア大学9校に出願する場合は、MY UC Applicationを利用します。

出願システムの組み合わせ

大学が採用する出願システムの例

推薦状要件の例

1つの出願システムで自分が受けたい大学全てをカバーできる場合は少ないので、多くの受験生は、複数の出願システムを併用することになります。また、複数の出願方法を用意している大学を受ける場合は、出願システムにより、提出する資料が異なる場合があるので、自分に最も有利な出願システムを選ぶことをお勧めします。

 (2018年12月16日号掲載)

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