Q. 帰国子女受け入れ校の海外入試とは?
中学1年と中学3年の子供がいます。そろそろ帰国になりそうです。帰国子女受け入れ校の海外入試がロサンゼルスでもあると聞きました。どのような試験ですか?
A. 秋に受験できる入学・編入試験。合格が1年間有効の学校も
帰国子女の受け入れを積極的に行っている学校の中には、日本国内での募集だけではなく、ニューヨークやロサンゼルスなどの都市に先生が出向いて、現地で海外入試を実施する学校があります。
出願・入試時期
ロサンゼルスでの海外入試は、ほとんどが11月に実施されます。出願の締め切りは入試日のほぼ1カ月前ですが、少し早いところもあります。また、出願の前にTOEFLのスコアが必要な学校(啓明学園)もありますので、早めに募集要項などで確認しておいてください。また、募集要項や願書がホームページから直接入手できる学校も多くあります。
入学と編入
海外入試では、新入学(入学)と編入学(編入)の両方が可能です。
4月から中学1年生、高校1年生として入学するための試験は、現在の小学校6年生、中学3年生が受験することになります。一部の学校では、中学1年生、高校1年生の学齢の生徒も受験できます。
編入とは、入学以外の学年・時期から入学するものです。学校によって受け入れ方法などは異なります。海外在住の子供の低年齢化に対応して、啓明学園や玉川学園のように小学校課程での入学、編入が可能な学校もあります。
入試の内容と入学・編入の時期
入試は大きく分けて、学科試験を課すタイプと、面接・作文のタイプの2つがあります。前者は日本人学校で学んでいる子供、後者は現地校で学んでいる子供を主な対象としていますが、原則的には、受験生がタイプを選べるようになっています。
海外入試に合格した後の入学・編入の時期については、その時期がはっきり決まっている学校と、子供の帰国時期に合わせて対応してくれる学校があります。例えば、日本の新学期にあたる4月の入学・編入だけではなく、1月から現在の学年に編入させてくれる学校、現地校の現在の学年を6月に修了した後、夏休み以降に編入できる学校などがあります。
合格が1年間有効の学校
実際、子供の学校が決まらないと、帰国後の住居も決められないわけですが、ほとんどの帰国子女受け入れ校は「編入試験は、定員に空きがある場合だけ実施する」というのが実情です。編入の時期に合わせて子供を帰国させるために、お父さんが単身で海外に残る家庭も多くあります。
最近では帰国時期を自分で決められない駐在員家庭の実情を理解し、少なくとも半年程度は、入学・編入の時期を遅らせることが可能な、受験生や保護者のニーズに合わせてくれる学校が増えてきました。海外入試で、子供や保護者にとってありがたいのは、「合格」が1年間有効だという学校の存在です。今年の秋の海外入試で合格した場合、入学・編入の時期はその後1年間であれば、いつでも受け入れ可能で、実際に入学・編入するまで授業料を払う必要もありません。
「もうすぐ帰国になりそうだ」という状況になったら、とにかく「合格1年間有効」の海外入試を子供さんに受験させ、進路を確保しておくことをおすすめします。実際に帰国時期が決まったら、他の学校を受験することもできます。また、1年以内に帰国にならなかったら、再度「合格1年間有効」の入試を受けることも可能です。「合格1年間有効」の入試を実施している学校は、こんな裏技のような海外入試の利用の仕方を承知していますし、実際、このようなケースはたくさんあります。
お子さんに、帰国後の受験に備えて、必要以上の勉強を強いる代わりに、「合格が1年間有効」な入試を、ロサンゼルスで受験させませんか。
海外入試の受験資格、募集学年、入学時期、合格有効期間などの具体的な内容は、学校によって大きく異なります。受験にあたっては、それぞれの学校の募集要項を熟読することが必要です。
海外入試を行っている学校
茗溪学園 | 中・高 | 茨城県つくば市 | www.meikei.ac.jp |
広尾(順心女子)学園 | 中・高 | 東京都港区 | www.junshin.ac.jp |
啓明学園 | 小~高 | 東京都昭島市 | www.keimei.ac.jp |
玉川学園 | 幼~高 | 東京都町田市 | www.tamagawa.ed.jp |
立命館宇治 | 中・高 | 京都府宇治市 | www.ritsumei.ac.jp/ujc |
同志社国際 | 中・高 | 京都府京田辺市 | www.intnl.doshisha.ac.jp |
千里国際学園 | 中・高 | 大阪府箕面市 | www.senri.ed.jp |
(2006年10月1日号掲載)
Q. LAでの海外入試を教えてください
あと半年程で帰国になりそうです。LAで受験できる中・高の入試があると聞きましたが?
A. 帰国受入校の「海外入試」が、11・12月にLAで実施されます。
LAで受験できる海外入試
帰国子女の受け入れを積極的に行っている学校のいくつかが、アメリカの都市を試験会場として、毎年11、12月に新入学・編入学のための「海外入試」を実施しています。ロサンゼルスで受験できる、今年の海外入試の実施校を、下の表にまとめました。出願は入試日のほぼ1カ月前ですが、少し早いところもあります。
海外入試の募集の内容は、学校により大きく異なりますので、必ず、募集要項などで確認しておいてください。最近は、ほとんどの学校は募集要項・願書・出願書類がホームページに掲載されており、海外からでも簡単に直接入手できます。
【事例】啓明学園
代表的な例として、啓明学園の「海外編入学試験」の内容を紹介・説明しましょう。この学校の海外入試の特徴は、「合格すれば、何年生でも、いつでも編入可能」です。
◎募集学年・試験
「初等学校から高等学校までの全学年の編入試験と新入生入学試験が受けられます」
「入学」は、小・中・高の1年が始まる来年4月から新入学する場合。「編入」は、新入学以外の学年や時期から学校に入り学習を始めるものです。
啓明学園の場合、現在小学校1年から高校3年までのすべての学年の児童生徒の入学・編入が可能です。
◎入学・編入時期
「合格後の入学許可の有効期限は、受験した日から原則1年とします」
このルールによると、海外入試に合格した後の入学・編入時期は、1年間いつでも(随時)OKとなります。例えば、日本の新学期に当たる4月の入学・編入だけではなく、来年1月からの編入、現地校の現在の学年を修了した後の夏以降の編入などと、編入時期が選べます。ただし、高校3年生の編入は、9月編入までです。
◎入試内容
初等学校:「国語・算数の学力考査、作文(日本語または、その他の言語で)、面接」
中学校・高等学校:
◆ 英語学習者:筆記試験(TOEFLの事前受験、あるいはPre-TOEFL)、英作文、日本語作文、面接(日本語・英語)
◆ 日本人学校出身者:国語、算数または数学、英語、面接(日本語)
海外入試のメリット:「合格1年有効」
海外入試の最も大きなメリットは、「合格後に入学可能な期間が長い」ことです。
啓明学園のほかに千里国際学園も、この秋の海外入試の合格者は2010年11月まで、1年間の編入が可能です。
このルールは、帰国時期を自分で決められない駐在員家庭の実情を、各校が理解して実施してくれているものです。「子供の学校が決まらないと、帰国後の住居も決められない」「入試の時期に合わせて子供を帰国させるためにお父さんは逆単身」という海外の家庭の悩みを考慮してくれたものです。
また、「もうすぐ帰国になりそうだ」「1年以内には帰国かな?」となったら、とにかく「1年有効」の海外入試を受験・合格しておいて、帰れる所を確保しておくことです。実際に帰国時期が決まったら、他の学校を受験することもできますし、1年以内に帰国にならなかったら、再度「1年有効」の入試を受けることも可能です。
「海外入試」のメリットを生かして、ロサンゼルスでお子さんに受験させておきませんか?
(2009年9月16日号掲載)
Q. 来春帰国で帰国受入校を希望。北米で受験できる帰国生入試は?
A. 秋に数校が実施。新方式も登場小学校から高校の新入学や編入が可能
合同入試
「首都圏私立中学海外合同入試」という、新しい形の海外入試がスタートします。
「1回の受験で複数校の合格が得られる海外生のための入試」で、茗溪学園中高(男女・茨城県つくば市)、聖学院中高(男子・東京都北区)、洗足学園中高(女子・神奈川県川崎市)、富士見丘中高(女子・東京都渋谷区)の4校が合同で実施します。1~4校を選び一括して出願の上、11月20日にNYの入試会場で英語・算数・国語(選択可)の4校共通問題の筆記試験と出願校の面接を受験します。それらの結果と書類審査を合わせて総合的に選考し、各校それぞれの合格者を発表します。複数の学校に合格した場合は、進学する学校を選びます。
中学入試だけですが、受験生・保護者の便宜を図ってくれた、海外の保護者にとっては大歓迎の試みです。
海外入試
帰国子女の受け入れを積極的に行っている学校の一部が、アメリカの都市を試験会場として、新入学・編入学のための「海外入試」を実施します。
北米での海外入試は、例年11、12月に実施されています。出願は入試日のほぼ1カ月前が目安です。早めに募集要項などで確認・準備しておいてください。最近は、募集要項、願書、出願書類が各校のホームページに掲載されており、海外からでも簡単に直接入手できます。 「(新)入学」は、来年4月入学への募集で、「編入(学)」は、4月以外の時期に学校に入ることです。
海外入試は中学、高校が中心ですが、海外の子供の低年齢化に対応して、啓明学園のように小学生の入学、編入のチャンスがある学校もあります。
入試内容
入試は大きく分け、学科と、面接・作文の2つになります。
学科試験での入学選考は、日本国内の受験と同じ要領ですが、試験内容、合否判定に受験生の海外経験を考慮しています。
試験当日に面接・作文を課す入試は、現地校で学んだ受験生を主な対象として、現地校での勉強や活動の記録などに加えて、英語や日本語で、文章を書かせて基礎学力を見たり、直接質問してその受験生の隠れた可能性を見出して、合否を判定します。
入学・編入時期
海外入試に合格した後の入学、編入時期は原則として4月です。しかし、子供の帰国時期や家庭事情に対応してくれる学校があります。例えば、日本の新学期に当たる4月の入学、編入だけではなく、来年1月から現在の学年に編入、現地校の現在の学年を6月に修了した後の夏以降に編入などと、編入時期を選ぶことも可能です。
海外入試のメリット
「もうすぐ帰国になりそう」「帰国かな?」という時に、受験を済ませ、合格し、帰国前に学校を確保できること。実際に帰国が決まったら、他の学校を受験することもでき、また、1年以内に帰国にならなかったら、再度、海外入試を受けることも可能です。
(2011年9月1日号掲載)