東京都の公立中学(都立中学)の入試とは?

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Q. 都立中学の入試があると聞きましたが、現状を教えてください。

小学校6年生の子供の母親です。年末に帰国し東京都内に住みます。公立中学への進学を考えていますが、都立中学の入試があると聞きました。

 

A. 最近の日本では、公立中学の選択幅が広がってきています。

松本輝彦(INFOE代表)

東京都の公立中学への進学

東京都では、一般的に小学校・中学は区立で、高校が都立です。最近、公立(区立と都立)の中学への進学のチョイスが次のように増えてきています。

①区立中学:
居住地で通学区域の決まった区立の中学。

②学校選択制の区立中学:
東京23区のうち、19区が中学校で「生徒・保護者による学校自由選択制」を実施しています。これらの区に居住すると、区内の中学が自由に選べます。しかし、ある中学に多くの希望者が集中した場合は、その学校に入れないこともあります。

③ 都立中学:
中学と高校の学習内容を一体化して指導できる「6年一貫教育」のために都立高校に併設された中学。この併設中学から併設高校への進学時には、入学試験がありません。しかし、併設高校へは、高校入試を受験して、高校1年生から入学することは可能です。

④ 中等教育学校(都立・区立):
これまでの中学・高校の課程をまとめた6年制の新しいタイプの学校。一般的に、中学1年生に相当する学年でのみ入学できます。

東京都・中高一貫6年制学校

東京都では、③と④のタイプの学校をまとめて「中高一貫6年制学校」と呼び、都立学校改革の柱として積極的に設立を進めています。下の表は、来年4月に入学可能な、東京都内の都立・区立・国立の中高一貫教育校をまとめたものです。

既設の学校については、2007年4月入学の入試倍率をあわせて示しましたので、これらの学校の人気がいかに高いか、おわかりいただけると思います。主な理由として、「6年一貫教育が大学進学に有利」「公立中学なので授業料がゼロ」が挙げられています。

都立中学の入試?

ご質問の「都立中学の入試」は、③の併設型中学と④中等教育学校への入学検査のことだと思われます。これらの学校は、公立ですので「入学者の決定に当たって、学力検査を行わないこととしており、学校の特色に応じて、例えば、面接、実技、推薦、抽選などの方法を組み合わせて行われること」と決められています。

帰国子女は有利?

アメリカ帰国後、これらの学校に入学を希望する場合は、、その学校の特徴をよく調べて理解することが大切です。私立の中高一貫校の場合も同じですが、6年間という長期にわたって学ぶ学校ですから、本当にお子さんに合っているのか、お父さん、お母さんの希望する教育を行っているか、などの情報収が欠かせません。特に、新しいコンセプトの学校ですのでご注意ください。

また、入学者決定に当たって英語力を積極的に評価してくれ、帰国子女にとって有利になる学校もあります。特に、東京学芸大学附属国際中等教育学校と東京都立立川国際中等教育学校の2校は、国際教育を目標に掲げており、帰国子女の受け入れ枠を別に設けたり、外国生活の経験を評価して、帰国子女の受入れに熱心です。

全国に拡大・公立中高一貫校

今回は、ご質問に答えて東京都の現状を紹介しました。ここで紹介した状況は日本全国に確実に広がりつつあります。文部科学省の「日本全国に約500校の公立中高一貫教育校」という目標に沿ったものです。

東京都の国公立中高一貫校

学校 所在地 開校
2007年度入試倍率
東京大学教育学部附属中等教育学校
中野区
2000年
都立白鴎高等学校附属中学校
台東区
2005年
7.99倍
都立小石川中等教育学校
文京区
2006年
9.25倍
都立桜修館中等教育学校
目黒区
2006年
7.54倍
都立両国高等学校附属中学校
墨田区
2006年
9.71倍
千代田区立九段中等教育学校
千代田区
2006年
区民枠1.86倍、区民11.96倍
東京学芸大学附属国際中等教育学校
練馬区 2007年
6.89倍
都立立川国際中等教育学校
立川市
2008年
(都立北多摩高校内)
都立武蔵高等学校附属中学校
武蔵野市
2008年
(都立武蔵高校内)

 

(2007年12月1日号掲載)

 

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