1日中、コンピューターの前でにらめっこ、時間に追われながらドライブ…。
現代人の生活はストレスが多いもの。
そんな日常の中でも意識して、自分を癒すひと時を作りたいもの。
疲れた身体と心をリラックスさせる方法やグッズをご紹介。
アロマセラピー
お気に入りの香りで手軽に始めたい
古代より、植物から抽出したエッセンシャルオイル(精油)を用い、心身の病気の治療に使われてきたアロマセラピー。ヨーロッパでは2次的治療として、現代でも医療の一環として認められている。芳香療法とも呼ばれるアロマセラピーは、身近に利用できるリラックス法だ。
そこで、中村ホームズ知子さんに、自宅で簡単にできるアロマセラピーを教えてもらった。中村さんは、エステティックサロン・ラポローズで働く傍ら、自らアロマセラピーとフラワーアレンジメントの教室「アロマティックスタイル」を開いている。まずは、エッセンシャルオイルを使ったバスソルトから。
「天然塩の他、水を弱酸性にしマイルドにするベーキングソーダを入れます。また、クエン酸(Citrus Acid)は泡を立たせますが、これにより血行が良くなり、筋肉痛などを和らげます。エッセンシャルオイルは好みの香りを。最初は単独で試してみてから、別の香りと合わせてみましょう」と中村さん。多くても3種類までがちょうどいいそうだ。
リラックスできる香りとしては、女性には女性ホルモンに働きかけるジャスミン・ネロリ・ローズ、男性にはウッド系のフランキンセスやサンダルウッドがおすすめとのこと。ラベンダー・ゼラニウム・クラリセージなども良い。作り方は下記の通り。なお、クエン酸はメキシコ系スーパー、グリセリンはドラッグストア、手作り石けんの型はMichaelsなどのクラフトショップで入手できる。
また、「普段はシャワーで済ませてしまう」という忙しい人のために、「足浴」の方法も教えてもらった。「特に夏場はおすすめです。お湯に入れたエッセンシャルオイルの香りが神経系やホルモン系に働きかけると同時に、皮膚からも浸透していくので、足浴だけで全身マッサージを受けたような感じになるでしょう」(中村さん)。
足浴は体力や気力がない時、生理痛の時にも最適。朝よりも、副交感神経が優位に働く夕方から夜にかけての方が、身体もリラックスできるとのこと。まずは広めの洗面器に42℃程度のお湯をため、好みのエッセンシャルオイルを3、4滴入れて10分ほど足を浸す。温かさを保つため、膝の上にはタオルをかけておくこと。じんわり汗が出てくれば代謝が良い証拠。汗が出てこない場合は代謝が落ちているのだそうだ。試してみたら、足だけでなく身体の芯までポカポカ、ゆったりとしたいい気分。ガーデニングショップに売っている小石を洗面器に敷けば、足裏のマッサージにもなる。
そしてもう1つ、「手浴」も伝授。同じく洗面器にお湯を張り、エッセンシャルオイルを3、4滴。椅子に座って、肘や手の甲から指先までをお湯につけ、香りの湯気を楽しむというもの。「肩こりや目の疲れ、頭が痛い時におすすめです。温感刺激のおかげで頭がスッキリしてくるので、集中力も高まります。書きものやキーボードを打つなどして手が疲れている時にも手軽にできます」(中村さん)。その他、蒸したハンドタオルにエッセンシャルオイルを数滴含ませて、顔や手に当てるのも効果的。お気に入りの香りを見つけたら、ぜひ試してみて。
バスソルトの作り方
材料(バスタブ1回分)
天然塩:小さじ2
ベーキングソーダ:小さじ8
コーンスターチ:小さじ5
クエン酸:小さじ5
グリセリン:小さじ1
エッセンシャルオイル:5~7滴
手作り石けんの型:1個
スプーン
作り方
1. 塩、ベーキングソーダ、コーンスターチ、クエン酸を小さなボウルなどに合わせ、グリセリンを少量ずつ加え、スプーンで丹念になじませながら、エッセンシャルオイルを入れる。色をつけたい場合は、フードカラーを加える
2. 全体がしっとりしてきたら、石けんの型に入れてスプーンで押し固める。型にあらかじめ、ミント・ローズマリーなどのハーブや花びらを置いてから、1を入れても素敵
3. 型をひっくり返して、できあがり。ラップなどできれいに包めばプレゼントにもできる
[アロマセラピーのクラス]
☎ 310-968-3016
中村ホームズ知子さん主宰の教室。
フラワーアレンジメントのクラスと共に、トーランスとウエストチェスターで月1回開催
◎ アクア・ビューティーハウス
☎ 310-873-8254
早川亜希子さんがウエストLAにて主宰するクラス。週1回、日常生活で使えるフランス式メディカル・アロマセラピー(初心者コース)を教えている
◎ プラネットハート
☎ 310-666-0992
渡邊慶子さん主宰の教室。ランチョパロスバーデスにて開催。フラワーエッセンスやアロマセラピーを施し、依頼があれば適宜教えている
タイマッサージ
押して叩いて引っ張って、痛気持ち良さテンコ盛り
疲れた時、ストレスがたまっている時、他人にやってもらうマッサージはまさに至福の喜び。マッサージにもいろいろあるが、マッサージ好きの日本人の間で今、ブームとなっているのがタイマッサージ。もちろん、ここロサンゼルスのタイタウンにも多くのタイマッサージ店がひしめき合っている。LAウィークリーでナンバー1に選ばれた「タイハーブス&スパ」で体験してきた。
「サワディーカー」と迎えてくれた、スタッフのパンさんが説明してくれる。「タイマッサージはヨガと指圧を合わせたようなものです。指圧は身体にある10本のエネルギーラインに沿って、主に親指を使って静脈と腱を押していきます。また、ストレッチはセラピストの助けを借りて行うものです。ストレッチがあることが、1番大きな特徴ですね」。メディアでもよく紹介されているアクロバティックな体勢は、タイマッサージならではだ。
タイ・トラディショナル・マッサージは、その起源がブッダの時代にさかのぼる。2500年もの歴史を持つ伝統的なもの。バンコクにある黄金の涅槃仏で有名な寺・ワットポーが総本山。かつて仏教僧がインドから教えと一緒に持ち帰ってきたのがこのマッサージで、古代インドや中国の影響を強く受けていると言われている。
ワットポーで技術を学んだビッキーさんに、さっそくお願いする。ゆったりとしたパンツとシャツに着替えたら、カーテンで仕切られた板の間の部屋に。固めのマットの上に、まずはうつ伏せになると、足の裏を温かい蒸しタオルで拭いてくれ、マッサージ開始。手の平で足や背中の筋肉をほぐしたり、ジャスミンの香るワックスを塗ってすべるように親指で押したり。
「肩こりがひどいんです」と訴えると、肩甲骨の辺りの筋肉を動かして整えたりするところは、整体と似ているようだ。かと思うと、5本の指で軽やかに頭皮マッサージをしたり、手の平のツボを押したり、気持ちいいこと何でも盛りだくさんといった感じ。
そうこうしていると、両手を背中に回され、ビッキーさんに「私の両腕を握ってください」と言われ、しっかり握ったところで、背中を足でググッとエビゾリにされる。まさにこれがタイマッサージ! 仰向けになってからも、この痛気持ち良さは続き、最後は座って足を組み、両手を取ってもらって前屈姿勢。よくぞここまで伸びたものだと我ながら感心するが、柔軟でもない自分の身体がすんなりと伸びたのは、プロのなせる技だ。1時間たっぷりの施術は終了。運動後のような爽快感が伴う。
「タイでは、小さな子供も両親の身体の上で足踏みするなど、マッサージは家庭でも行われていますし、プロのマッサージ師に頼むのもとても日常的です」とビッキーさん。
1時間(39.99ドル)のコースの他、1時間半、2時間(79.99ドル)のコースもある。顧客の中には毎月1回、4時間受ける人もいるそうだ。また、同店には、リフレクソロジーや指圧などのマッサージの他、解毒作用のある1人用のハーバルサウナ(20分20ドル)なるものもある。ここロサンゼルスのタイマッサージ店も、料金的にもリーズナブルなので、気軽に通うことができそう。
タイマッサージを受けた後は、甘酸っぱいトムヤムクンでも食べたら、ググンと元気になりそうだ。
5231 1/2 W. Sunset Blvd., Los Angeles
☎ 323-661-7086
▶ 営業時間:10:00am-10:00pm
▶ 休業日:Open 7 Days
[その他のオリエンタルマッサージ]
2231 Lomita Blvd., Lomita
☎ 310-539-6097
www.originalthai.com
ロミータにあるタイマッサージ。スウェディッシュやスポーツマッサージ、リフレクソロジーも提供
◎ Thai Body Works
3424 #205 Via Oporto, Newport Beach
☎ 949-723-0456
www.authenticthaimassage.com
タイマッサージがオレンジ・カウンティーで受けられる。ラグナビーチにも支店がある
◎ The Massage Studio
8209 Melrose Ave., Los Angeles
☎ 323-404-3759
www.themassagestudiola.com
アーユルヴェーダを取り入れたマッサージやインド式ホットオイルの頭皮マッサージ
デイスパ
全身リラックスして、日頃の疲れをすっかり取る
アメリカには日本の温泉や大浴場のようなものはないが、「スパ」がある。スパの語源はベルギーの温泉地の名から。もとは温泉を意味しているが、実際は水を使って身体を癒すところ、ジャグジーやスチームルームが利用でき、マッサージやトリートメントを受けられる場所を指すことが多い。
スパの中でも、気軽に利用できて、金額もリーズナブルなのがコリアンスパ。トーランスの女性専用スパ、トーランス・ヘルスクラブは1回15ドル、10回チケット120ドルという手頃な金額でありながら、さまざまなサウナが揃い、韓国美人の美肌の秘訣・垢すり(30ドル)や指圧、マッサージもしてもらえるので、朝から多くの女性が足を運んでいる。「韓国では誰でも日常的にスパに通っています。私が子供の頃は、日曜の朝は家族揃ってスパに行くのが日課でした」と話すのは、オーナーのソフィア・キーさん。韓国女性は垢すりを週に1度は受けているのだそう。
まずは受付でタオルと薄手の上着をもらって脱衣所へ。大浴場のシャワーとジャグジーで、身体を温める。大浴場には、「クリスタル・スチームサウナ」と「ドライサウナ」がある。特に、蒸気に満ちたクリスタルスチームサウナは、部屋全体に天然石が敷き詰められていてゴージャス! アメジストやヒスイ、色も鮮やかな石には赤外線効果があり、体質改善・減量・関節炎・肩こりなどに効果的なのだそう。
上着をはおって大浴場の外にある「マッドサウナ」で寝転んでもいい。韓国のチョンギンという町でしか手に入らないミネラル豊富な泥が塗られた部屋。小石の入ったアツアツ枕を頭の下に置き、70℃の熱さに身を任せると、じんわり芯から温まる。新陳代謝が高まり、血行が良くなるそうだ。
そして、いよいよ垢すり。担当のパークさんに導かれて入った一角では、平日の朝というのに、すでに4台の垢すり台がフル活動だ。うつ伏せになると、手袋状の垢すりタオルを両手につけたパークさんが、足から丁寧にこすっていく。噂に聞いていたよりも痛くない。体重をうまくかけ、パークさんはリズミカルに身体をこする。恐る恐る見てみると、ポロポロ出てくる、消しゴムのカスのような垢が! 今度は仰向け、そして横になり、内腿・腋の下・耳の裏…隅から隅まで汚れを取ってくれる。オイルで軽くマッサージした後、シャンプーまでして終了。全身の肌はスベスベになっただけでなく、柔らかくなったようだ。
その後、トパーズを敷き詰めたオンドル(床暖房の部屋)に横たわってしばし休憩。カルシウムやマグネシウムが含まれるトパーズは、頭の回転が良くなり、集中力もつくそうだ。全身から汗を出して、垢を取ったら、心身共にリフレッシュして、新しい活力も湧こうというもの。元気な女性スタッフも感じが良い。気づいたら、また来ていそう。それがコリアンスパの魅力なのだ。
1555 W. Sepulveda Blvd. #M, Torrance
☎ 310-891-6938
▶ 営業時間:8:00am-11:00pm
▶ 休業日:Open 7 Days
[ユニークスパ]
3127 Santa Monica Blvd., Santa Monica
☎ 310-453-9004
www.willowspa.com
おがくずを使った日本の酵素風呂がユニーク。毒素を抜いたら、タイマッサージや指圧、スキンケアでリラックス
◎ Glen Ivy Day Spa
1601 PCH., Hermosa Beach
☎ 1-888-CLUB-MUD(258-2683)
Grottoと呼ばれる泥の温泉で有名なグレンアイビーのデイスパ。やはり人気はGrottoを使ったボディートリートメント
◎ La Clarte
25101 Narbonne Ave., Lomita
☎ 310-534-4500
www.laclarte.com
日本語の通じるスパなので、気軽に受けられる。スパ、フェイシャル、マッサージなどの3時間コース「スパバケーション」が好評
漢方茶
飲めば飲むほど元気になる
忙しい日常のふとした合間に、リラックスして飲みたいのがお茶。日米問わず、お茶の中でも最近俄然注目を浴びているのが中国茶だ。サンタモニカの「ドラゴン・ハーブ」は中国茶専門店。「トニックハーブ」と呼ばれる滋養強壮を目的としたオリジナルの漢方茶を扱っている。
オーナーのロン・ティーガーデンさん(本当にこれが本名!)はフロリダ生まれ。70年代初頭、アメリカで東洋医学が注目され始めたばかりの頃に、健康食品を扱う店をオープン、マクロビオティックや禅、タオイズムを学んだ。LAとバークレーに開いた指圧学校は当時全米最大に。そして、76年に日本に渡ってアジアの健康食品と漢方茶を研究し、84年には『Chinese Tonic Herbs』(Japan Pub-lications)を上梓した。この本がきっかけとなって、アメリカにも漢方茶が知られるように。6年前に開いた同店とハリウッドのヨガスタジオ「Golden Bridge」に併設した店の他、オンラインでも販売し、世界26カ国で愛飲されているという。
「漢方茶には3つのレベルがあります。1つは病気の治療のため薬代わりに飲むもの、1つは病気を予防するもの、そしてもう1つは滋養強壮を目的として日常的に飲むものです。当店で扱っているのはこの3番目。ただ疲労を回復して元気を取り戻すだけでなく、免疫力をつけ、ホルモンバランスを整え、もっと元気になることが目的です」(ロンさん)。
同店のシステムもユニーク。10人のハーバリストが待つカウンターで健康上の問題点を相談すると、彼らは脈と舌を診て、症状に合わせてプログラムを組んでくれる。顧客の情報はコンピューターに管理され、記録されていく。同店では200種類以上の商品があり、そのほとんどがお茶だが、サプリメントやエクストラクト(抽出エキス)、水と混ぜるだけの液状のお茶なども扱っている。
トニックハーブで代表的なのは、レイシ(霊芝)、ジンセン(朝鮮人参)、ジノステンマ(甘茶蔓)、ロンガン(竜眼)など。店内にはその現物が飾られているが、なかには、Polyrhachis Antと呼ばれる中国のアリや鹿の角、真珠などもあって興味深い。同店の商品は、ロンさん自らが原産地に出向いて直接契約を結び、独自にブレンドしていることが特徴だ。
試しに店で販売されている冷たいドリンク「Tibetan Magic」を飲んでみたら、飛び上がりそうになった。カフェインも入っていないのに、いきなり元気になった感じ。8月には、一時閉めていたトニックハーブのワンショットバーを再開するというから楽しみだ。
315 Wilshire Blvd., Santa Monica
☎ 310-917-2288
▶ 営業時間:Mon-Sat 11:00am-7:00pm
▶ 休業日:Closed on Sundays
www.dragonherbs.com
音と色による癒しのサプリ
Musicolor Supplement
いわゆるヒーリングミュージックは巷にあふれているけれど、それと一線を画すのが、このミュージカラー・サプリメント。音楽療法と色彩療法の相乗効果を引き出し、疲れ・ストレスの解消だけでなく、高血圧・糖尿病の他あらゆる病気の治療を助長するというもの。LA在住の音楽家・喜多嶋修さんが開発した新しいコンセプトのDVD&ビデオだ。
人体にある7つのチャクラはそれぞれ身体機能をつかさどっているが、これらのバランスが常に整っていることが大切。チャクラは色彩と音の影響を強く受けることから、音と色彩の周波数・波長の理論に基づいて開発された。個々の病気に対応して作られており、疲れ・ストレス解消用は、スミレ色と紫色の心安らぐ映像と喜多嶋さんが作曲した音楽をベースにしている。発売前から代替医療界、自然食品業界からも注目を集めている。
詳細はEast Quest Records, Inc.で。なお、プロトタイプの購入はLAオンラインショップで可能。
※このページは「2006年6月16日号ライトハウス・ロサンゼルス版」掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。