コロナ禍により、世界中でリモートワーク人口が急増しました。仮に今後、オフィスの場所に縛られず好きな場所に住めるとしたら、あなたはどこを選びますか?…ということで、近年、新天地を求める人々に人気上昇中のアメリカ7都市について、日本人在住者の生の声と共にご紹介します。
- 01. フロリダ州オーランド / Orlando, FL
- 02. テキサス州オースティン /Austin, TX
- 03. コロラド州デンバー / Denverl, CO
- 04. アリゾナ州フェニックス / Phoenix, AZ
- 05. カリフォルニア州ベイカーズフィールド / Bakersfield, CA
- 06. ジョージア州アトランタ / Atlanta, GA
- 07. テネシー州ナッシュビル / Nashville, TN
01. フロリダ州オーランド / Orlando, FL
テーマパークを中心に エリア一帯が発展中
|
DATA
●都市圏の人口: 245万261人
●平均年齢: 37.0歳
●失業率: 3.0%
●平均年収: 4万4930ドル
●住宅価格の中央値: 24万5483ドル
●家賃の中央値: 1161ドル *以上の出典:“Best Places to Live in the US, US News 2020”
●消費税: 6.50%
概要:
「Walt Disney World」「Universal Orlando」「SeaWorld Orlando」など人気のテーマパークが集中するオーランドは、別名「世界のテーマパークの首都(The Theme Park Capital of the World)」とも呼ばれています。また、オーランドでは、テーマパークに限らず、観光、建設、金融、医療、航空、バイオメディカル、ライフサイエンスなど実に幅広いセクターで人材の採用が行われています。さらに、フロリダ州には温暖な気候を求めて引退者が集まってきますが、オーランドの住民の大多数は現役の人々です。なお、テキサス州やネバダ州同様、フロリダ州は所得税を徴収しません。
気候:
1年を通じて温暖な気候です。
住宅:
住宅建設ラッシュが続いていますが、供給が追いつかない状況で、同エリアの住宅価格は今後も高騰が見込まれています。
交通:
空の玄関口は州内で最も発着便が多いオーランド国際空港(Orlando International Airport)。2019年、同空港が日本との間の直行便就航を日系航空会社に対して要請中であることが報じられましたが、まだ実現していません。
レジャー:
地元住民にはテーマパークでの特別割引料金が適用されます。キャンプ場や公園も数多く、近隣のビーチでは釣りが楽しめます。
日本食マーケット・レストラン:
中国系や韓国系のアジア系マーケットで日本の食料を購入する人が多いようです。日本食レストランは「Hanamizuki」「Jimotti’s Restaurant」など。
管轄の日本国総領事館:
在マイアミ日本国総領事館
Webサイト www.miami.us.emb-japan.go.jp
日本語学校・日系団体・日本語情報サイトなど:
・オーランド補習校
Webサイト: orlandohoshuko.org
・オーランド日本人コミュニティー
「オーランド日本祭り」を主催している非営利団体です。
Webサイト: jorlando.org
・Orlando JP
現地で暮らす人々に役立つ情報が満載の日本語サイト。
Webサイト: orlandojp.com
ライトハウスサイト:
・アメリカ50州の特徴・基礎情報: フロリダ州(31)/アメリカ南部
オーランド在住、高添純一さん (在住歴6年)
風光明媚なビーチ、安心できる環境
アメリカ生活はロサンゼルスに始まり、次にテキサスへ、さらに6年前にオーランドに引っ越してきました。娘が4人いるのですが、子どもたちがディズニーのないテキサスで寂しい思いをしていたので、シェフとしてオーランドの「Walt Disney World」内の職場から声がかかったのをきっかけに引っ越してきました。でも、すぐに独立することになり、今は日本食の「Jimotti’s Restaurant」という店を経営しています。
ここが気に入っている点は、ロサンゼルスと比べると治安がいいことです。子育てする上でドラッグ事情は気になりますが、ここは比較的安心できる環境だと思います。また、1時間ほどドライブすると風光明媚なビーチもあり、自然にも恵まれています。私はそこで釣りをして、子どもたちは貝殻を集めたりしてのんびり過ごします。
ただ、日本人がそれほど住んでいないので、子どもたちにとっては日本の文化に触れる機会が少ないことが残念です。ロサンゼルスにいると日本人の友達を作ることは簡単なことですが、ここではそれが難しいですね。子どもたちも「もっと日本人と話したい」と言っています。また、オーランドから日本までの直行便が飛んでいないことも不便な点です。
私はレストラン経営以外にオーランドの情報を日本語で提供するオンラインメディア「Orlando JP」も運営しています。私が引っ越して来た時に欲しい情報が日本語であまり手に入らなかったので、だったら自分で始めようと思ったのがきっかけでした。これからもオーランドに、もっとたくさんの日本人が引っ越して来てくれることを願っています。
02. テキサス州オースティン /Austin, TX
古くからの学生街 IT企業参入で人口急増
|
DATA
●都市圏の人口: 205万8351人
●平均年齢: 34.4歳
●失業率: 2.7%
●平均年収: 5万3810ドル
●住宅価格の中央値: 31万3308ドル
●家賃の中央値:1217ドル *以上の出典:“Best Places to Live in the US, US News 2020”
●消費税: 8.25%
概要:
テキサス州の州都、オースティンは音楽と芸術の都であると同時に、テキサス大学オースティン校を擁するカレッジタウンでもあります。また、近年はIT系企業の流入が目立ち、2010年、全米14位だった人口が、20年には11位にまで上昇。この人口増を受け、ダウンタウンに程近いオースティン・バーグストロム空港(Austin-Bergstrom International Airport)の面積を40年までに2倍にする計画が進行中です。
気候:
夏は蒸し暑い一方で、冬の気温は氷点下になることもあります。
住宅:
住宅中間価格は31万3308ドルと、全米平均より約8万ドル高い値となっています。しかし、テキサス州には個人と法人の所得税がないこと、州税と地域税率も低いことが、同地への移住率が高い要因となっているようです。
交通:
オースティン・バーグストロム空港から日本へは、サンフランシスコ、ロサンゼルス、デンバー、ダラス・フォートワースなどの空港での乗り継ぎが必要です。
レジャー:
アウトドア派には市民の憩いの場、ジルカー公園が人気です。近隣にはトラヴィス湖、オースティン湖、レディバード湖があり、ウォータースポーツや釣りが楽しめます。
日本食マーケット・レストラン:
「Highland Village Shopping Center」には「紀伊国屋書店」「くら寿司」ラーメン屋の「Sazan」などがあるほか、市内にある「あさひ日本食料品店(Asahi Imports)」には、日本の食料品が揃います。
管轄の日本国総領事館:
・在ヒューストン日本国総領事館
Webサイト: www.houston.us.emb-japan.go.jp
日本語学校・日系団体・日本語情報サイトなど:
・オースチン日本語補習授業校
Webサイト: austinjs.org
・Austin Japan Community
2001年発足のオースティン在住の日本人同士の交流の場。
Webサイト: austinjapancommunity.org
・オースティンガイド
テキサス大学オースティン校の日本語講師、畑中淳子さんと学生が作成した情報豊富なサイトです。
Webサイト: www.laits.utexas.edu/japanese/austinguide
ライトハウスサイト:
・アメリカ50州の特徴・基礎情報: テキサス州(38)/アメリカ南部
オースティン在住、畑中淳子さん (在住歴21年)
多様性に溢れたジャストサイズな街
私は2000年からテキサス大学オースティン校で日本語を教えています。移ってきた当時はハイウェイの横にもお花畑が広がっている、のどかな場所でしたが、今はIT都市として開発が進み、企業誘致や住宅地拡大が続いています。住宅と言えば私が昨年まで10年間住んだ1寝室のアパートのレントは1300ドルでした。借り始めた頃は650ドルだったので、10年で倍になったということです。
私がここを気に入っている理由の一つにダイバーシティに溢れた街だということが挙げられます。私たちのようなアジア系のマイノリティーも馴染みやすいですし、人々はとてもリベラルです。人種構成は半分は白人、次にヒスパニック、アジア系と続きます。アフリカ系の人は少ないです。
また、街にはライブハウスが多く、音楽の都としても知られます。ジャズ、ラテン系ミュージック、ブルーグラスなどのカントリーミュージックといろいろな音楽が楽しめます。音楽だけでなく映画撮影もよく行われています。ダウンタウンに地下鉄の入口が造られて、ニューヨークの街のセットとして使われたりもしています。毎年3月には、音楽、映画、ITをテーマにした「South by Southwest」というフェスティバルが開催され、多くの人で賑わいます。
お客さんが来ると必ず連れて行くのは、「Salt Lick」というバーベキューレストランです。本場のワイルドな味が人気の店なんです。3月になるとの州花であるブルーボネットが辺り一面に開花する景色も私のお気に入りです。
私はオースティンに住んで長いということもあるのですが、ロサンゼルスやニューヨークのように大き過ぎず、日本の物も手に入るジャストサイズな街であるという点に居心地の良さを感じています。きっとこれからもずっと住み続けると思います。
03. コロラド州デンバー / Denverl, CO
アウトドアスポーツとビール好きには絶好の地
|
DATA
●都市圏の人口: 285万221人
●平均年齢: 36.4歳
●失業率: 2.7%
●平均年収: 5万9440ドル
●住宅価格の中央値: 40万1542ドル
●家賃の中央値:1292ドル *以上の出典:“Best Places to Live in the US, US News 2020”
●消費税: 8.81%
概要:
1800年代半ば、ゴールドラッシュの時代に鉱山町として開拓されたデンバー。現在のデンバーの住民は、健康志向で自然を愛する人々が多数派となっています。また、デンバーをはじめとするコロラド州は、2012年のマリファナ栽培の合法化で転機を迎え、近年はマリファナ関連のビジネスが急成長しています。
気候:
1年を通してデンバーの気候は快晴で乾燥しています。急な雨、雪、雷なども見られますが、5分も待てば天気が変わることが多く、前日に降った雪も太陽光によって午後には溶けてしまいます。
住宅:
過去数年でデンバーの人口は急増しており、今後も減少は見込まれていません。結果的に住宅価格は高騰し、2019年のアメリカの住宅の中間価格が23万2933ドルだったのに対して、デンバーのそれは40万ドルを超えています。
交通:
デンバー国際空港(Denver International Airport)はユナイテッド航空とフロンティア航空のハブ空港。日本との間は、ユナイテッド航空がデンバー国際空港と成田空港を直行便でつないでいます(パンデミック期間は休止中)。
レジャー:
ゴルフ、ハイキング、スキーやスノーボードといったアウトドアスポーツを愛好する人には絶好の環境。また、デンバー市内だけで実に100近いブルワリーが営業しており、「Great American Beer Festival」が毎年開催されています。
日本食マーケット・レストラン:
日本食マーケットは、ダウンタウンの「Sakura Square」内に「Pacific Mercantile」があります。他に韓国系の「H Mart」、中国系の「Pacific Ocean Marketplace」でも一部の日本の食料が購入できます。
管轄の日本国総領事館:
・在デンバー日本国総領事館
Webサイト: www.denver.us.emb-japan.go.jp
日本語学校・日系団体・日本語情報サイトなど:
・デンバー日本語補習校
Webサイト: jsdenver.org
・コロラド日本語補習校
Webサイト: cjschool.org
・ロッキーズ日本語アカデミー
Webサイト: japaneseacademyoftherockies.org
・デンバージャパン.com
デンバー在住の日本人のためのコミュニケーションの広場。
Webサイト: denverjapan.com
ライトハウスサイト:
・アメリカ50州の特徴・基礎情報: コロラド州(41)/アメリカ西部
デンバー在住、西本悦子さん (在住歴14年)
心が洗われるような山並みの美しさ
アメリカ人の夫の仕事の関係で、2001年から10年までデンバー、その後ハワイに移り、2016年にデンバーに戻って来ました。デンバーのいいところはまず天候。寒いというイメージがあるかもしれませんが、雪が降っても翌日には溶けるし、1年のうち300日は晴れているんです。暑い夏も湿気がなくて過ごしやすいです。
不便な点は、日本のものが入手しづらいということ、公共交通機関が整っていないので基本的に車がないとどこにも行けないこと、それから日本語を使う仕事がほとんどないことです。お寿司屋さんは何軒もあります。でも、うどん専門店などはないので、ハワイやカリフォルニアのように外食でいろいろな日本食を味わいたいという方には物足りないと思います。
地元の人たちは親切です。私自身は差別のような嫌な思いをしたことは一度もありません。少し心配なのは、コロラド州はマリファナが合法なので、若い人たちでマリファナを吸っている人が少なくないですし、子どもたちへの影響が気になる点です。教育レベルは高いと思います。ハワイだと教育熱心な親は子どもを私立に行かせることもありましたが、ここデンバーは公立校でもレベルが高く、上の娘が小3でハワイから転校してきた時は最初、授業についていくのが大変だった記憶があります。
デンバー近郊は地ビールの種類が多いことで有名です。ビール好きな方は楽しめるはずです。それから、山並みの美しさは格別ですね。市内から車で1時間の場所に温泉もあるので、日本人はよく利用しています。ここはまさに心が洗われるような景色に囲まれています。
私たち家族の今後? そうですね、日本の物が恋しくなったらどこかに引っ越すかもしれません。が、今は住めば都でデンバーが気に入っています。
04. アリゾナ州フェニックス / Phoenix, AZ
暖かい気候求めて アメリカ中から移住者が集まる
|
DATA
●都市圏の人口: 467万3634人
●平均年齢: 36.4歳
●失業率: 4.1%
●平均年収: 5万0520ドル
●住宅価格の中央値: 24万8400ドル
●家賃の中央値: 1077ドル *以上の出典:“Best Places to Live in the US, US News 2020”
●消費税: 8.6%
概要:
至る所で目にするサボテンに、ここが「砂漠の都市」だと実感させられるアリゾナ州のフェニックス。フェニックス市は19世紀後半に開拓された後、半導体などのエレクトロニクス産業の拠点として発展を続けてきました。また、アリゾナ州は19世紀半ばまではメキシコの統治下にあったため、現在のフェニックスにも、食文化や建築物などにメキシコの伝統が色濃く残っています。その温暖な気候を求めて引退者の移住地としても人気ですが、一方でアリゾナ州立大学にアメリカ中から学生が集まってくることから、人口の4分の1は20歳以下の若年層で占められています。
気候:
1年のうち300日、快晴に恵まれます。
住宅:
住宅の中央値が2011年の15万ドルから、現在では24万8400ドルにまで上昇しています。それでも、ロサンゼルスやサンフランシスコなどのカリフォルニア州の都市部に比較すると、住宅の価格も生活費も安く抑えることができます。
交通:
空の玄関口は、サウスウエスト航空のハブ空港でもあるフェニックス・スカイハーバー空港(Phoenix Sky Harbor International Airport)。日本への直行便はなく、ダラス・フォートワースやロサンゼルス、サンフランシスコ、サンディエゴ経由となります。
レジャー:
各種アウトドアスポーツが盛んなフェニックスですが、最も有名なのは何といってもゴルフ。市内には200以上のゴルフコースがあり、PGAツアーのフェニックスオープンも開催されます。また、アメリカの4大スポーツのチームが揃っており、スポーツファンには絶好の場所。
日本食マーケット・レストラン:
「New Tokyo Food Market」と「Fujiya Market」の2軒の日本食料品店があり、日本料理のレストランも数多く、最近はラーメン専門店の進出が続いています。
管轄の日本国総領事館:
・在ロサンゼルス日本国総領事館
年2回、フェニックスで出張サービスを実施しています。
Webサイト: www.la.us.emb-japan.go.jp
日本語学校・日系団体・日本語情報サイトなど:
・アリゾナ学園スクール
Webサイト: arizonagakuenschool.org
・アリゾナ日本企業懇話会
「アリゾナ祭り」など、日本文化を紹介するイベントを開催しています。
Webサイト: jba-arizona.org
ライトハウスサイト:
・アメリカ50州の特徴・基礎情報: アリゾナ州(45)/アメリカ西部
フェニックス在住、横山幸子さん (在住歴29年)
清潔で美しい街並み、フレンドリーな人々
私はフェニックスに隣接するスコッツデールに、1992年、結婚を機にシカゴから引っ越してきました。その時に5寝室でプール付きの一軒家をスコッツデール市内に購入、当時、価格は19万2000ドルだったと記憶しています。今の価値は60万ドルほどになっています。
ここが気に入っているのは、まず道路が整然としていること。交通量も多くないので、運転があまり得意でない私にはとても楽なんです。そして、人々がとてもフレンドリーなこと、治安が良いことも魅力です。街並みも美しく清潔で気持ちいいだけでなく、ダウンタウン以外に高層ビルがなく、空が広く感じます。冬の温暖な気候は寒がりの私には、本当にパラダイス。最近はおしゃれなショップやレストランも増えてきました。
日本の食料品店は2店舗あります。ただし、最近は大規模な韓国系マーケットで日本の食料を購入することが多いです。また、娘の大学がカリフォルニアだったので、彼女に会いに行くついでに、夫の運転でロサンゼルスまで足を伸ばして日本の食料をたくさん買い込んでいました。隣接しているカリフォルニアに車で行き来できるのも便利です。フェニックスの空港からは日本への直行便はありません。いつもはサンフランシスコかサンディエゴを経由して帰国しています。
子どもの学校に関しては、実は公立校のレベルは高くはないのですが、その分、チャータースクールが充実しています。いくつかのチャータースクールは、アメリカ中に名が通っています。
気候は、夏の暑さが厳しいので、夏の間に外出すると冷房を求めて建物から建物に移動することになります(笑)。冬は避寒地として人気があり、普段は中西部に生活の拠点を置き、冬になるとフェニックス周辺にその拠点を移す人たちが多いんです。彼らはスノーバードと呼ばれています。
05. カリフォルニア州ベイカーズフィールド / Bakersfield, CA
求めやすい価格で注目 ロサンゼルス郊外の新興住宅地
|
DATA
●都市圏の人口: 88万3053人
●平均年齢: 31.5歳
●失業率: 7.8%
●平均年収: 4万9450ドル
●住宅価格の中央値: 23万1775ドル
●家賃の中央値: 956ドル *以上の出典:“Best Places to Live in the US, US News 2020”
●消費税: 8.25%
概要:
長い間、ロサンゼルスからサンフランシスコに行く際の休憩場所という位置付けだったベイカーズフィールドですが、いつしか手頃な価格の住宅が建ち並び、コミュニティーが形成されるようになりました。住民の平均年齢が31.5歳ということからも分かるように、広い敷地と家、求めやすい価格の住宅を求めて移り住む子育て世代が増加しています。
気候:
ロサンゼルスのバレー地域と同様に、夏は高温ながら乾燥しており、冬は若干の寒さを感じます。2月から4月、ワイルドフラワーが開花すると同時に春が訪れます。
住宅:
住宅中間価格は23万ドル1775ドルと、全米の中間価格より下回っています。つまり、全体的に住宅価格が高いカリフォルニアの中では、非常に求めやすい価格帯だと言えます。住宅が手頃なだけでなく、食料品、公共料金、ガソリンの価格もロサンゼルスより若干安く設定されています。
交通:
ロサンゼルス国際空港(Los Angeles International Airport)まで車で約2時間。市内にはダラス、フェニックス、サンフランシスコ、デンバーなどへの定期便の発着空港であるメドーズフィールド・エアポート(Meadows Field Airport)があります。
レジャー:
「Bakersfield Museum of Art」やカリフォルニアの動物と植物が見学できる「California Living Museum」などの観光スポットがあります。また、シエラネバダ山脈やセコイヤ国立公園、ロスパードレス国立公園へも日帰りできるロケーションです。
日本食マーケット・レストラン:
市内に寿司、ラーメンを中心に日本食レストランが30店舗あります。
管轄の日本国総領事館:
・在ロサンゼルス日本国総領事館
Webサイト: www.la.us.emb-japan.go.jp
日本語学校・日系団体・日本語情報サイトなど:
・バレー学園
サンバレーにある同園までは片道1時間半。
Webサイト: kyodosystem.org/school-system
ライトハウスサイト:
・アメリカ50州の特徴・基礎情報: カリフォルニア州(49)/アメリカ西部
ベーカーズフィールド在住、竹内結希さん (在住歴18年)
ゆとりの空間で子育てができる
2003年、カリフォルニア州立大学ベイカーズフィールド校(CSUB)に留学してきました。学位を取得した後、ここのコミュニティーカレッジで日本語講師の職に就き、さらに現在はCSUBでも教えています。18年前に初めてここに来た時は「カリフォルニアって聞いて来たけど、周囲は砂漠でそんなイメージでもないし、石油の街といった感じで他には何もない」というのが正直な印象でした(笑)。でも、慣れてしまえば、私はもともと長野の出身で都会が苦手なので、ここのゆとりのある暮らしが合っているように思います。
ゆとりを感じるのは、家の値段と広さに関してです。3年前に今の4寝室の家をロサンゼルスとは比較にならないほど手頃な値段で購入しました。前庭も裏庭も広くて、我が家の3人の男の子が家の中や庭を走り回っても大丈夫です。それに、子どもが遊べる公園も多いし、近い場所にハイキングコースもあり、子どもを育てるには恵まれた環境だと思います。ゴーマンまで行けば、開花の季節には一面のカリフォルニアポピーの花畑を楽しむこともできます。
ロサンゼルスまでは車で2時間の距離です。パンデミックになる前は、月に一度か隔月に一度は夫の運転で日本の食料の買い出しに出かけていました。ただし、ベイカーズフィールドにはアジア系住民も多いので、日系の食料品店はありませんがアジア系のマーケットが1軒あり、そこで日本の食料をある程度なら購入できます。最近は、ベイカーズフィールドで家を購入して、ロサンゼルスまで通勤する人も多いようです。
教育水準は大都市に比べると低く、選択肢も少ないのですが、だからと言ってものすごく低いというわけでもありません。私の仕事も夫の仕事もここですし、住宅事情のことを考えると、これからもずっとベイカーズフィールドに住むことになりそうです。
06. ジョージア州アトランタ / Atlanta, GA
春には桜が開花 日本への直行便が運航
|
DATA
●都市圏の人口:577万9463人
●平均年齢:36.2歳
●失業率:3.3%
●平均年収:5万2750ドル
●住宅価格の中央値:22万2617ドル
●家賃の中央値:1106ドル *以上の出典:“Best Places to Live in the US, US News 2020”
●消費税:8.9%
概要:
アトランタと言えば、南北戦争を描いた名作映画『風と共に去りぬ』の舞台として有名。現在も残るプランテーション農園や邸宅などが、観光名所になっています。また、ジョージア州には、日本からTOTOをはじめ500社以上の企業が進出しており、日本人人口も比較的多いです。
気候:
夏は暑く湿気が感じられ、冬は穏やかです。日本のように四季が分かれており、春には桜の花、秋には紅葉を見ることができます。
住宅:
人口増加中のアトランタですが、住宅価格の中央値は全米平均より1万ドル低くなっています。
交通:
空の玄関口のハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ空港(Hartsfield-Jackson Atlanta International Airport)はデルタ航空のハブ空港で、アトランタからは羽田空港まで直行便が運航しています。
レジャー:
アメリカ4大スポーツのチームが揃っており、サッカーのプロリーグチームもある他、ゴルフ場も充実しています。
日本食マーケット・レストラン:
アトランタ郊外のマリエッタにある「Tomato Japanese Grocery Store」で、日本の食料が調達できます。
管轄の日本国総領事館:
・在アトランタ日本国総領事館
Webサイト: www.atlanta.us.emb-japan.go.jp
日本語学校・日系団体・日本語情報サイトなど:
・ジョージア日本語学校(アトランタ補習授業校)
Webサイト: gjls.org
・ジョージア日米協会
「ジャパンフェスト」を主催しています。
Webサイト: www.jasgeorgia.org
ライトハウスサイト:
・アメリカ50州の特徴・基礎情報: ジョージア州(30)/アメリカ南部
07. テネシー州ナッシュビル / Nashville, TN
アメリカ一の音楽の都 医療産業と大学の街
|
DATA
●都市圏の人口: 186万4138人
●平均年齢: 36.4歳
●失業率: 2.6%
●平均年収: 4万8370ドル
●住宅価格の中央値: 26万3625ドル
●家賃の中央値: 1000ドル *以上の出典:“Best Places to Live in the US, US News 2020”
●消費税: 9.25%
概要:
テネシー州の州都であるナッシュビルは音楽の都。カントリーミュージック、ゴスペルミュージック、ナッシュビルシンフォニックオーケストラによる交響楽といった多様なジャンルの音楽が楽しめます。
同市は、バンダービルト、ベルモント、テネシー州立大学フィスク校、トレベッカナザレンといった有名大学を擁する学生街でもあり、近年は医療機関の一大拠点としても目覚ましい発展を遂げています。さらに日産自動車が2006年から北米本社をナッシュビルに置いています。
気候:
年間200日以上が晴天。夏には湿気が感じられる一方で、冬は氷点下になることもあります。
住宅:
住宅価格はコンスタントに上昇を続けてはいますが、州の個人所得税が無税であることが、ローン返済を含む月々の生活費に余裕を与えているようです。
交通:
ナッシュビル国際空港(Nashville International Airport)から日本への直行便は飛んでいません。シカゴ・オヘア、アトランタ、ダラス・フォートワース経由となります。
レジャー:
年間を通じて多彩な音楽の祭典が開催されます。4大スポーツのうちフットッボール、ホッケー、野球のスタジアム観戦が楽しめます。
日本食マーケット・レストラン:
市内にある日本食レストラン、「Sonobana」に日本食料品店が併設されています。
管轄の日本国総領事館:
・在ナッシュビル日本国総領事館
Webサイト: www.nashville.us.emb-japan.go.jp
日本語学校・日系団体・日本語情報サイトなど:
・中部テネシー日本語補習校
Webサイト: jsmt-midtn.weebly.com
ライトハウスサイト:
・アメリカ50州の特徴・基礎情報: テネシー州(32)/アメリカ南部