ここまでJ-1ビザによるアメリカでのインターンシップや、英語圏各国でのワーキングホリデー(ワーホリ)制度、それぞれにかかる費用の違いを比較してきましたが(詳しくは「アメリカのインターンシップ~J-1ビザ取得方法や求人情報」を参照)、忘れてはいけないのが「帰国後のキャリア」。
渡航前はどうしても現地生活に目が向きがちですが、インターンシップでもワーホリでも、海外渡航した人の多くは終了後に日本へ帰国し、新しい生活を始めています。日本帰国後の仕事や就職も考えた上でプログラムに参加するのとしないのとでは、得られる経験も異なってくるでしょう。海外現地での滞在を一層充実させ、日本帰国後に後悔しないためにも、渡航前から帰国後のキャリアを考えておくことも重要です。
- 英語の語学力だけではインターン・ワーホリ帰国後の「武器」になりにくい
- 帰国後のキャリアアップや就職ならワーホリよりも「J-1ビザインターンシップ」
- 海外現地生活のサバイバル力が身に付く「ワーキングホリデー(ワーホリ)」
- インターンシップでもワーホリでも参加する目的・理由を明確に持つことが重要
英語の語学力だけではインターン・ワーホリ帰国後の「武器」になりにくい
近年、企業のグローバル人材への採用熱は高まる一方であることは事実ですが、需要がある一方、ただ英語が話せるという語学力だけでは武器になりにくい面もあります。日本でも、海外インターンシップ経験者、ワーキングホリデー(ワーホリ)経験者はもちろん、英語を話せる人材や海外での実務経験者が増加、帰国後もライバルが数多く存在します。
日本帰国後の就活・転職に役立つ仕事をインターン・ワーホリ中に経験することが重要
このため、日本帰国後の就活やより良い条件での転職には、インターンシップやワーホリの経験に加え、プラスアルファのアピールポイントが必要。「日本帰国後は英語を使った仕事にキャリアチェンジしたい、インターナショナルな企業に就職したい」と考えるなら、インターンシップやワーホリでの海外渡航を決める前に将来・帰国後にどのような業種や職種の仕事に就きたいか自分の希望を整理、その上でスキルアップにつながる仕事や企業を探し、それを経験するのがおすすめです。
帰国後のキャリアアップ・就職ならワーホリよりも「J-1ビザインターンシップ」
余暇・休暇が目的のワーキングホリデー(ワーホリ)と比較して、アメリカの有給インターンシップは仕事が目的。本来のインターンシップは、アメリカの学生が学校卒業前に企業で働き、給与は無給である代わりに実務経験と学校の単位を習得できるプログラムですが、「J-1ビザ」を取得する有給インターンは、アメリカ企業が募集する有給のポジションを見つけ、面接を受け、内定を得てから渡米するもの。
アメリカの企業からの内定を得るだけでも一定の評価に値しますし、18カ月間(12カ月間の場合もあり)も海外で働く経験を積むことは、確実に日本帰国後の就職やキャリアアップに役立つでしょう。
ビザ取得手続きにお金はかかるが、希望の仕事・会社で働くチャンス
アメリカのJ-1ビザ取得手続きのために支払うエージェント費用、約40万~60万円は決して安いお金とは言えませんが、帰国後に希望の仕事、会社で働く機会を獲得するために必要な自己投資と考えても良いかもしれません。インターンシップ募集企業はメディア、非営利団体、観光、飲食、アパレル、広告代理店、商社、アートギャラリー、Webサービス、教育、ブライダルなど多岐に渡るので、興味のある仕事がきっと見つかるはず。
自分のこれまでの仕事経験を活かせる職種の方が就業機会を得やすいと言えますが、あえて希望する未経験の業界にチャレンジ、アメリカで得た経験を使って帰国後の日本でキャリアチェンジを目指すのも一つの選択。海外のビジネス現場でしか学べない交渉力、ワークスタイル、人脈構築のスキルも帰国後の転職活動などで活かせるでしょう。
ワーホリと異なり渡航後の就業先企業の変更は原則不可、事前の準備が必要
ワーホリと異なり、アメリカの有給インターンの場合は渡航後の就業先企業の変更が原則として不可の点は注意点。渡航後に興味の対象が変わっても仕事内容を変えられないため、事前に十分インターンシップ求人や企業探しを行い、時間をかけて準備することが必要です。
とは言え、自分でインターンシップ募集企業を探すのは至難の業。その場合はインターンシップ求人を紹介してくれるエージェントサービスの利用がおすすめです。
海外現地生活のサバイバル力が身に付く「ワーキングホリデー(ワーホリ)」
「ワーキングホリデー(ワーホリ)」は基本的に休暇を目的としたビザ制度のため、よほど高い英語力が身に付かない限り「ワーホリで1年間海外生活を経験しました」だけではアピール不足で、日本帰国後の就職活動や転職活動で企業から高い評価を得るのが難しいことも。ワーホリ期間中に英語力以外でも何かを成し遂げたかが帰国後のキャリアにも影響します。
ワーホリの場合、自分が就きたい仕事の求人があるかが不安
ただし、ワーホリで実際に経験できる仕事内容や求人には、和食レストランでの接客やホテルの受付、工場関係の仕事、農作業、ベビーシッターなど、あまり英語能力が必要とされない仕事や、日本語が使えることがメリットになる仕事であることが多い様子。どの国、どの地域でも仕事の需要と供給のバランスの側面から、ワーホリ滞在者対象の求人には制限もあります。
日本出発前に仕事が決定するアメリカ・インターンと比較して、ワーホリの場合は自分が就きたい仕事に就けるかが不安な面も。また収入面でも、重労働となる仕事以外は生活費全てを賄うことが難しいようで資金面での不安も。結果的に、帰国後の仕事や生活に不安を感じながらワーホリに行く方も少なくないようです。
ワーホリ滞在中の仕事探しが帰国後の就職活動で重要に
もちろん、ワーホリ経験者の中には「日本語教師」や「会計士」など英語力+専門性が必要な仕事であったり、「ショップ店員のマネージャー」という現地スタッフとのコミュニケーションが非常に重要なポジションに就いて、スキルアップを実現した人も。重要なのは、ワーホリ滞在中の仕事探しでしっかり自分を売り込めるかどうか。「自分を雇うことで、雇用主にどんなプラスが生まれるのか?」を説明し、自分の就きたい仕事を勝ち取らなければ日本帰国後の就職活動などでワーホリ経験を活かすことも難しくなります。全てが自分の行動力にかかっている一方、うまくいけば経験だけでなく、海外で生き抜くサバイバル力も身に付くでしょう。
インターンシップでもワーホリでも参加する目的・理由を明確に持つことが重要
最後にアメリカでのインターンシップでも、オーストラリアやカナダでのワーキングホリデー(ワーホリ)でも、重要なのは渡航前・申請手続きを始める前に参加する目的や理由を明確に持つことかもしれません。「なぜ海外で生活してみたいのか、働いてみたいのか?」や、「インターンシップ・ワーホリ期間中に、何をしたいのか」といった明確な目的や理由があれば、滞在中の生活が充実したものになるでしょうし、帰国後の就活などでの面接でも面接官を納得させるだけの説明ができそうです。
逆に明確な目的や理由が無ければ、帰国後の面接などで「なぜインターンシップ・ワーホリに行ったのか?」という質問に答えることが難しいでしょうし、そもそもインターンシップ・ワーホリ中の生活を乗り切れない可能性もあります。インターンシップでもワーホリでも、不慣れな海外生活のため苦労することもあるかと思いますが、明確な目的があれば乗り越えることができそうです。
アメリカでの生活の魅力は?おすすめの都市は?
「J-1ビザインターンシップ」と「ワーキングホリデー」の違い、少しは明確になったでしょうか。では次に、アメリカでの生活は実際のところ、どのような感じなのか?「J-1ビザインターンシップ」で人気・おすすめは、ロサンゼルスやサンフランシスコがある西海岸、ニューヨークがある東海岸、グアム、ハワイなどですが、それぞれ特徴がありますので、次のページで詳しく説明します。
●次の記事:
J-1ビザインターンで経験するアメリカでの生活とその魅力
※アメリカでの有給インターンシップの詳細は「アメリカのインターンシップ~J-1ビザ取得方法や求人情報」をご覧ください。
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アメリカの現地情報誌『ライトハウス』の関連会社であり、海外研修・短期留学プログラムを提供するライトハウス・キャリア・エンカレッジでは、毎年春・夏休み時期に1カ月未満のアメリカ企業での短期インターンシップ・就業体験型研修をロサンゼルスで開催しています。
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