「ボリュームたっぷり!」。
という表現、レストランの広告や記事で、よく目にしますね。
この形容、僕のコラムには決して出てこないことにお気づきだろうか?
じつは、僕はこれがレストランに対する褒め言葉だとは思わないのである。
たしかに、若い方などで、「とにかく満腹にしたい!」というときは意味のあることだろうが、運ばれてきた皿に盛られた大量の料理を見たとき、「これを全部平らげなくちゃいけないの!?」という無言の圧迫感を感じるのは、僕が年をとった証拠なのだろうか?
でもやっぱり、「量で勝負」という店と、「味で勝負」という店では、後者のほうが好きですねえ。
しかし、である。
ここはアメリカ、イヤでもボリュームたっぷりの料理がでてきてしまうこともよくある。
そこで、ドギーバッグのお世話になるわけだが、あるとき、ふと気がついた。
マーケットなどに、マイバッグを持っていくことが盛んになっているいま、なぜだれもマイドギーバックを持っていかないの?
発泡スチロールや紙の容器にプラスティックの袋、あのドギーバッグを家に持って帰って中身を食べたとしても(結局食べないで捨てた、という経験よくありませんか?)、これは資源のムダ使いとゴミの排出以外のなにものでもない。
割り箸も、あれは資源のムダ使い!ということで一時マイ箸が流行ったが、割り箸はじつは間伐材に価値を産み出すものだから、使うほうが森林を守り、エコになる、ということが一般に知れ渡ってきて、いまはあまり流行っていないように見受けられる。
でも、ドギーバッグの容器がエコになる、というはなしは聞いたことがない。
僕は以前、やはりこのコラムで、ストローを使うのをやめましょう!直接口で飲みましょう、と提唱したことがあるが、こうみえても結構地球のことを考えているのです。
地球ばかりではない。僕たちの身体にとっても、発泡スチロールはBPAという有害物質を出すので、それに入れた食物を食べることはいいことではない。
そこで、僕は即座に実行しました。
ガラス製の、弁当箱サイズの容器を二つ買った。その一つを車のトランクに入れておいて、この店はきっと食べきれないぞ、というとき、それを店に持って入る。
食べ残した食物は、その容器に入れて家に持って帰り、もう一つの空の容器と交換。
冷蔵庫に入れた、残り料理の入った容器は、1、2日で食べなければ、中身を捨てる。日がたったら、身体にもよくないし、だいたい旨くないですからね。
これを実行してみて、もう一つ、マイドギーバッグにはメリットがあることに気がついた。
食べ終わったレストランで、ウェイターをつかまえてドギーバッグを頼むのって、結構面倒だったり、時間がかかったりしますよね。自分でさっさと処理してしまえば、その面倒もない。
もう一つありました。
チャイニーズのドギーバッグって、車のトランクに入れておくと、揺れてひっくりかえり、汁が漏れ出しちゃった、なんてこと、よくありますね。
しっかりフタのしまるマイドギーバッグなら、そういうこともないし、これで一石、えーと四鳥になるわけですね。
LA&OCではココ!
「味」は30点満点、「予算」は2人分です
※今回はボリュームよりも小皿の味で勝負の店を選びました
Mesa
店内がひとつの空間アートのような、非常にかっこいいスペース。料理
もそれにマッチしてトレンディーでおしゃれなタパス形式のものが多
い。グラスワインの種類も豊富。
味:22 予算:$80
725 Baker St., Costa Mesa
☎714-557-6700
www.mesacostamesa.com
Tue-Sat 6:00pm-2:00am
Closed on Sun & Mondays
A.O.C.
いま流行りの、タパスやチーズでワインが飲める店の走りのような店。
有名店で、常にポピュラー。有名なLucquesの姉妹店。
味:24 予算:$100
8022 W. 3rd St., Los Angeles
☎323-653-6359 www.aocwinebar.com
Mon-Thu 6:00pm-10:00pm
Fri 6:00pm-11:00pm
Sat 5:30pm-11:00pm
Sun 5:30pm-10:00pm
Open 7 Days
(2011年3月1日掲載)
マイドギーバッグのすすめ
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