おいしいイチゴはどこにある?

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Mr.世界(おいしいイチゴはどこにある?)

なにを隠そう、僕はイチゴが大好きだ。
毎日、朝食に食べている。
アメリカには、ほんとにおいしい果物はめったにないが、イチゴは特別だ。
いまの季節のイチゴ、スーパーで売っているものではなく、道路脇にある、イチゴ畑の直営スタンドで売っているもの、あれはすごく甘くて香りがたっぷりだ。アメリカが世界に誇れる数少ない食材のひとつだと思う。
 
とはいうものの、フランスに行くと、さらにおいしい。
春から夏にかけてのフランスのイチゴ、アメリカのものより小粒で、甘さも香りもさらにすばらしい。
僕はフランスのレストランで食事をしたあと、デザートによくイチゴをたのむ。アペタイザーとメインコースでおなかがいっぱいになったあとに、デザートは食べたいけどもう入らない。でもフレッシュなイチゴならOK、ということがよくある。
ほとんどのレストランでは、メニューに載っていなくても、「fraises(イチゴ)はあります
か?」と聞けば、「Oui(はい)」という答えが返ってくる。
 
そして、chantilly、つまりホイップクリームもいっしょにたのむ。
これがまた、たまらない。
フランスの生クリームは、アメリカでは決してお目にかかれないおいしさなのだ。
アメリカでwhipped cream というと、あの、缶からジュワッとだす、ヒゲソリクリームみたいなやつ。あれでは話にならない。
フランスの生クリームは、バターやチーズと同じく、牛の種類も、餌もちがうのだろう。やや黄色がかっていて、クリームらしい香りがいっぱいで、泡立てると舌触りがまろやかこの上ない。
 
イチゴそのものに話を戻そう。
母が元気なころ、フランスを何度か一緒に旅をした。あるときfraises とchantilly を食べながら、「フランスのイチゴは世界一おいしいね」と言ったら、母が「あらやだ、日本のイチゴがいちばんよ」と言ったのが忘れられない。
そうなのか、と思って、その次に日本にイチゴの季節に行ったとき、試してみた。
いや、参りました。ホントにウマイです。
小粒で真っ赤。でも意外にも中は白かった。
アメリカのイチゴでスーパーで売っているようなものは、形だけ大きく、表面だけが赤くて、噛んでみると中は真っ白、ガリガリして甘くもないし香りもない。ところが日本のこの小粒のイチゴはどういうわけか、中が白くてもイチゴらしい味と香りでいっぱい。たしかにイチゴは日本がいちばんかもしれない。
 
イギリスもおいしい。
ウィンブルドン・テニスを見に行ったときは、試合と試合のあいまに、売店でフレッシュストロベリーとクリームを買って立ち食いした。これがウィンブルドン観戦の楽しみのひとつとされているのである。
イギリスのロイヤルファミリーもウィンブルドンのテニス観戦に来ると、試合そっちのけでイチゴを楽しむと聞く。
 
中国語では草苺(ツァオメイ)といい、台湾のものがおいしいらしい。
まだ食べたことがないが、こんど台湾に行ったら食べてみたい。
 
こうやって、いろんな国でイチゴと出会うのも、一期一会というものですかね。
 
LA&OCではココ!「予算」は2人分です
Manassero Farms
オレンジカウンティー中心のストロベリー農場。香りのいい大粒のイチゴ(オーガニックもある)や、いろいろな野菜や果物を売っている。
5840 Walnut Ave., Irvine ☎949-551-1835
230 Rose Dr., Brea ☎714-961-0822
18921 17th St., Tustin ☎714-730-4790
11001 166th St., Cerritos ☎562-865-6429  
www.manasserofarms.com
Daily 9:00am-6:00pm
Open 7 Days
 
Torrance City Farmers Market
TorranceにあるこのFarmer’s Marketでは、イチゴをはじめとするさまざまな新鮮な果物や野菜が手に入る。
2200 Crenshaw Blvd., Torrance
www.torranceca.gov/Parks/6620.htm
Tue & Sat 8:00am-1:00pm
Thu 4:00pm-8:00pm(Sartori Ave. & El Prado Ave.)
 
(2012年4月1日号掲載)

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