法国吐司。
さて、どんな食べものでしょう?
法国というのは、中国語でフランスのことだ。フランス人が特別に法律を守るというわけではなく、日本語でほとけ(仏)の国というがごとく、あて字である(法はファーと読む)。
吐司は台湾で使われるあて字で、トーストのこと。
両方合わせてフレンチ・トースト。
なにも食べものに「吐く」という字を使わなくてもよさそうなものだと思うけど、かれらは気にしないらしい。
フレンチ・トーストって、朝食にいいですね。これを食べよう!と思うだけでワクワクする。
ホットケーキ、ワッフル、フレンチ・トースト、僕にいわせればこの三つは朝食のゴールデン・トリオだ(色がゴールドっぽいでしょ)。それぞれ、似ているけど、独特の楽しみがある。
フレンチ・トーストといっても、フランスではそうは呼ばれない。pain perdu、つまり「失われたパン」というのがその名である。
古くなって少し固くなったパンの利用法として、卵やミルクをつけてフライパンで焼くとうまくなる、というところからその名がある。むしろ新しいパンより古いパンのほうが、表面がパリっとなって、よりおいしいのだ。
フランスでは朝食ではお目にかかることがなく、ランチとして、あるいはデザートとして食べられる。
フランスに限らず、僕は旅行中、午前中ゆっくりできるようなとき、よくパンケーキとかフレンチ・トーストを注文する。だいたいホテルの朝食はどこに行ってもバフェになっていて、いろいろな種類の料理が食べられるのはいいのだが、ちょっと落着かないきらいがある。
あえてそれに逆らって、メニューから単品でサーバーに注文し、ゆったりと出来たてのフレンチ・トーストが出てくるのを待つのもいいものだ。
ホテルによっては、イチゴやバナナ、ブルーベリーなどが載ってきたり、オレンジ、あるいはシナモンやバニラの香りのいいフレンチ・トーストを持ってきてくれる。これもうれしい。
上にバターを少し載せ、それにメープルシロップ。
この料理にはやはりメープルシロップがポイントだ。ただの砂糖シロップを出すところもあるが、カエデから作ったシロップは香りが全然ちがうし、味がひきたつ。蜂蜜もいいですね。
表面がサクッとして、中はフワッとしているのがいい。
香港では、フライパンで焼くというより、油に浸して揚げパンのようにして食べるのが一般的で、これはまたこれでいい。
僕は子供のころから、母親が忙しいときにおなかがすくと、よく自分でフレンチ・トーストを作って食べていた。ただし、日本風だ。
冷蔵庫から食パンと卵を取り出し、卵をしょうゆで溶く。白いご飯にかけて食べるような溶き卵にして、それに食パンを浸し、パルメザンチーズをまぶし、フライパンで焼く。卵が固まらないうちに、半熟状態で火からおろすことがコツだ。
しょうゆの焼けた香りとチーズがうまくマッチし、半熟卵の舌触りとパンのフワフワ感がよくて、作ってるあいだからワクワクする。
とてもうまいですよ。
LA&OCではココ!「予算」は2人分です
Side Street Café
広いニューポート・ブルバードに面した、小さな目立たないコージーな店で、フレンチ・トーストやバナナ・パンケーキをはじめ、オムレツなどで有名。昼間はいつも混んでいる。コーヒーもおいしいのがうれしい。
予算:$20
1799 Newport Blvd. Suite A105, Costa Mesa
☎949-650-1986
Daily 7:30am-3:00pm
Open 7 Days
Square One Dining
ハリウッドで朝食で有名な店で、フレンチ・トーストやエッグス・ベネディクトなどがおいしい。広いパティオが気持ちいい。週末のブランチは相当待たされる覚悟が必要。
予算:$30
4854 Fountain Ave., Hollywood
☎213-365-8773 www.squareonedining.com
Daily 8:00am-3:00pm
Open 7 Days
(2012年7月1日掲載)
吐司を食べたい!
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