夏バテ(Summer fatigue)

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規則正しい生活と適度の休養が基本

夏バテは睡眠不足、疲労、食欲不振、過剰発汗、水分の不足または過剰摂取、あるいは冷房のかけ過ぎなど多くの原因で起こります。このような原因を避けたり改善することは当然ですが、基本的な対策は食事を含めた規則正しい生活を送ることと、適度の休養を取ることです。
 
運動不足は手足の血液の循環を悪くし、食欲も身体の活力も低下させます。適度の運動やレクリエーションで積極的に体力の増強を図りましょう。体力を消耗し過ぎると消化器などの内臓機能も低下します。生活のペースを少しゆっくりにすることが必要です。休養やストレス解消のために趣味に打ち込むことも疲労回復に役立ちます。
 
冷房を使う時は、決して冷やし過ぎないようにしてください。寝ている時は体温の調節機能も十分に働かないので、冷やし過ぎると風邪をひいたり喉を痛めたりする原因となります。仕事場での冷房のかけ過ぎは、首や肩の痛みの原因ともなりますので、小まめに温度調節を行い、外との温度差を5℃以内にするように心掛けてください。

「疲労回復ビタミン」ビタミンB群を補給

夏は暑さのために汗をたくさんかきますので、水分補給が大切です。水分は成人の身体の60%(小児・老人で70%)を占め、体中で溶媒・潤滑液・運搬液・冷却液として働く、生命を維持するのに欠かせないものです。
 
喉が渇いたと感じた時点で、すでに体内の相当量の水分が失われています。喉の渇きを感じる前に、こまめに水分を補給するようにしましょう。体内の水分量の目安は尿の色でチェックできます。尿が濃い黄色の場合は脱水気味かもしれません。通常より多めに水分を取ることをおすすめします。
 
朝・昼・夜の3食を定時に取り、栄養価に気をつけることが、夏バテ防止の秘訣です。特にビタミンB群は「疲労回復ビタミン」と言われるぐらい体内のエネルギー変換に直接関わる大切なビタミンです。B1やB2、B6、B12などの種類があり、それぞれ違う働きを分担しています。ビタミンB群が不足すると疲労に襲われ、肥満と倦怠感に陥りますし、脚気、炎症、神経に関する障害を起こします。
 
ビタミンB群が豊富に含まれている食品は、玄米、ホールウィートのパン、そば、ピーナッツ、くるみ、アーモンド、レバーなどの内臓、豚肉、魚、野菜、果物、牛乳、卵などです。ビタミンBは水溶性のため、毎日補給する必要があります。過剰に取っても排泄され、毒性はありません。

大里メディカルクリニック
大里雅治 医師

ローマリンダ大学医学部卒。UCLA大学消化器専門医修了。米国消化器学会、米国内科学会公認専門医。

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