砂漠気候を近代化で克服・引退者に人気の観光州
州の花・木がサボテンなら、州の鳥もサボテンミソサザイと、サボテンづくしのアリゾナ州。どこまでも砂漠が続く独特の風土は、月面や火星表面と酷似していると言われている。
アリゾナ(Arizona、AZ)州の基本情報 | |
人口(2023) | 7,431,344人 |
面積 | 112,623.1mile2 |
人口密度 (2020) | 62.9人/mile |
州都 | フェニックス(Phoenix) |
州知事(2024) | Katie Hobbs(民主党) |
州のニックネーム | Apache State, Grand Canyon State |
人種の割合 | 白人 81.9% / 黒人 5.5% / アメリカインディアン 5.2% / アジア人 3.9% / ヒスパニック 32.5% |
1世帯当たりの平均収入 (2022) | $72,581 |
貧困家庭の割合 (2022) | 12.5% |
住宅平均価格 (2018-2022) | $321,400 |
平均家賃 (2018-2022) | $1,308 |
観光情報サイト | Visit Arizona |
オフィシャルサイト | AZ.gov |
(出典元:U.S. Census Bureau)
最低気温華氏81度、砂漠らしい夏の厳しさ
気候はフェニックス12、1月の平均気温が華氏66度、最低気温は41度と比較的温暖。しかし、実際は砂漠気候の特徴として1日の気温の変化が激しく、最低気温が氷点下を下回ることも珍しくない。1年のうちでもっとも暑いのは7月で、平均最高気温は華氏106度。最低気温も81度という酷暑ぶりだ。このように厳しい気候風土のアリゾナ州に人が住めるようになったのは、エアコンが普及してから。わずか半世紀前の出来事だ。
そんなアリゾナだが、最初の人類が住み始めたのは1万2千年以上前と古い。紀元前500年頃までにはメキシコから原始農法が伝わった。1821年にスペインから独立したメキシコがアリゾナを含む西部一帯を領有し、1846年の米墨戦争でメキシコが敗れ、同53年のアメリカによる南部購入まで、アリゾナはメキシコの領地だった。
サンシティーが代表する、引退者に人気の人工都市
厳しい自然が作り出した風景には素晴らしいものが多く、グランドキャニオン、ペトリファイドフォレスト国立公園、オルガンカクタス、サンセットクレーター国立記念公園など、全米、世界中から多くの観光客を集める。その一方で、州外から多くの引退者がアリゾナ州に移住してきている。フェニックス北西のサンシティーを代表として、ツーソン、ユマなどは、引退者が快適に暮らせるよう計画的に開発された人工都市だ。
エアコンの普及と同時に、コロラド川などにフーバーダム、ホースメサダムなど巨大なダムが相次いで完成し、水資源と電力が豊富に利用できるようになったことが、急速に都市化が進んだ理由だと言われる。人口は1960年からの30年間で実に3倍に増加し、近年も年間2ケタの伸び率で増加が続いている。しかし、富裕な州外からの移住者と、昔から同州に住む低所得者との経済格差は広がる一方で、今後の州の解決すべき大きな課題となっている。