広大なトウモロコシ畑とグレートプレーン
グレートプレーンの真ん中に陣取るネブラスカ州。同州の平坦な大地を流れるプラット河をオット族が「平坦な河(ネブラスカ)」と呼んだことから、州名が付いたと言われている。
ネブラスカ(Nebraska、NE)州の基本情報 | |
人口(2023) | 1,978,379人 |
面積 | 76,796.2mile2 |
人口密度 (2020) | 25.5人/mile |
州都 | リンカーン(Lincoln) |
州知事(2024) | Jim Pillen(共和党) |
州のニックネーム | Cornhusker State |
人種の割合 | 白人87.5% / 黒人5.4% / アジア系2.8% / ヒスパニック12.3% / ネイティブ・アメリカン1.6% |
1世帯当たりの平均収入 (2022) | $71,722 |
貧困家庭の割合 (2022) | 11.2% |
住宅平均価格 (2018-2022) | $205,600 |
平均家賃 (2018-2022) | $987 |
観光情報サイト | Nebraska Office of Tourism |
オフィシャルサイト | Nebraska.gov |
(出典元:U.S. Census Bureau)
ホームステッド法からアメリカンドリーマー1号
1541年にスペインの探検家、フランシスコ・ヴァスクエズ・コロナドが中西部一帯を探検し、全域をスペイン領と宣言した。しかし、スペイン政府は植民地を作ることはせず、17世紀後半に同州を含む一帯はフランス政府によりルイジアナと名づけられ、フランス領となった。1803年のルイジアナ購入により、合衆国の一部に。
1840年代に入ると、オレゴン街道やモルモン街道などが貫くプラット河流域は西部移住のメッカとなった。治安の良さや鉄道の発達から開拓者が爆発的に増え、人口は急激に増加。1862年に制定されたホームステッド法(21歳以上の市民は誰でも公有地160エーカーを5年耕作すれば自分の所有地にできるという法律)は、西部開拓に拍車をかけ、ダニエル・フリーマンがこの法律を利用して作り上げた第1号の農場は今も同州に残っている。
米国史上初の無投票大統領、G・フォードの出身地
ネブラスカと言えば、広大な畑と放牧、農業のイメージが強い。第2次世界大戦後、ミズーリ河の本格的な灌漑工事が始まり、ネブラスカの乾いた土地は潤い、肥沃さを増した。
平坦な大地が続く同州だが、自然が作り上げたさまざまな地形も散在する。そのひとつがスコッツ断崖。西に向かうネイティブアメリカンや開拓者たちの行く手を阻み、遠回りを余儀なくさせたという険しい大地である。
同州出身の著名人といえば、1974年に大統領選を経験せずに大統領になったジェラルド・フォードがいる。1973年に、ニクソン政権下でアグニュー副大統領がスキャンダルで辞任し、ニクソンが当時下院議員だったフォードを指名。しかし翌年、ニクソンがウォーターゲート事件で辞任したため、米国史上唯一の無投票大統領フォードが誕生したのである。また、公民権運動の指導者で1965年に暗殺されたマルコムXも同州出身である。