州民の誇りはビールとチーズとパッカーズ
全米で最も水がきれいな都市として知られる、ウィスコンシン州ミルウォーキーは、ビールの街として有名。ミラー、シュリッツ、パブストなどのビール工場が集積している。
ウィスコンシン(Wisconsin、WI)州の基本情報 | |
人口(2023) | 5,910,955人 |
面積 | 54,153.1mile2 |
人口密度 (2020) | 108.8人/mile |
州都 | マディソン(Madison) |
州知事(2024) | Tony Evers(民主党) |
州のニックネーム | The Badger State |
人種の割合 | 白人86.6% / 黒人6.6% / アジア系3.2% / ヒスパニック7.6% / ネイティブ・アメリカン1.2% |
1世帯当たりの平均収入 (2022) | $72,458 |
貧困家庭の割合 (2022) | 10.7% |
住宅平均価格 (2018-2022) | $231,400 |
平均家賃 (2018-2022) | $992 |
観光情報サイト | Travel Wisconsin |
オフィシャルサイト | Wisconsin.gov |
(出典元:U.S. Census Bureau)
北欧、ドイツからの移民が定着させた酪農
ミシガン湖、スペリオル湖、ミシシッピ川、ウィスコンシン川、グリーンベイが集まり、ミルウォーキーは全米で最も水がきれいな都市として知られる。同市でビール醸造が発達したもうひとつの理由は、40%を占めるドイツ移民だ。北欧諸国、ドイツ、スイスからの移民は、祖国と気候条件の似たウィスコンシン州に定住した。
移民が定着させた技術としては他に酪農がある。州内の乳牛数は約200万頭で、全米でもトップ水準。米国のチーズ生産の中心地でもある。ウィスコンシンでチーズと言えば、NFLの名門、グリーンベイ・パッカーズを思い浮かべる人も多いだろう。ファンが頭にかぶるチーズヘッドには、同州のプライドが込められている。
ユニークな政策を導入。地方政治のパイオニア
グリーンベイはミルウォーキー、州都マディソンに次ぐ、同州第3の都市で、初めて白人が入植した土地でもある。フランス人とイギリス人が領土支配を争った後、1787年アメリカに譲渡されたが、アメリカの管理下に置かれたのは1812年の米英戦争後のこと。
1820年代に鉛鉱山が発見され、多くの白人が流入。彼らは「badger(アナグマ)」と揶揄され、それが州のニックネームにもなっている。19世紀初頭には先住民との「ブラックホーク戦争」が勃発。戦争終結後の1848年、合衆国入りを果たした。
同州には名を上げた政治家も多く、画期的な政策を取り入れている。その筆頭に挙げられるのが、児童福祉や高齢者補助、労災などの福祉政策だ。また、予備選挙の導入、公務員制度の創設、そして1811年には全米で初めて州の所得税を法定化した。しかし、中には悪名高い政治家もいた。第2次世界大戦後、連邦政府に「赤狩り旋風」を巻き起こしたジョセフ・マッカーシー上院議員が、上院で非難決議を受けて失脚したのは1954年のことだ。