メリーランド州(24)/アメリカ南部

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独立戦争の中心舞台は・今先端技術のデジタル・ハーバーに

メリーランド州の旗

首都経済圏に位置するメリーランド州は、首都ワシントンDCと密接な関係を持ち、数多くの歴史的決定が下された連邦政府の奥座敷である。

メリーランド(Maryland、MD)州の基本情報
人口(2023) 6,180,253人
面積 9,708.6mile2
人口密度 (2020) 636.1人/mile
州都 アナポリス(Annapolis)
州知事(2024) Wes Moore(民主党)
州のニックネーム Old Line State, Free State
人種の割合 白人57.3% / 黒人31.7% / アジア系7.1% / ヒスパニック11.5% / ネイティブ・アメリカン0.7%
1世帯当たりの平均収入 (2022) $98,461
貧困家庭の割合 (2022) 9.6%
住宅平均価格 (2018-2022) $380,500
平均家賃 (2018-2022) $1,598
観光情報サイト Visit Maryland
オフィシャルサイト Maryland.gov

(出典元:U.S. Census Bureau)

要塞に掲げた星条旗。アメリカ国歌発祥の地

17世紀初頭にイギリス人探検家ジョン・スミスがこの地を地図に記して以来、イギリスがワシントンDC、デラウェア州を含んだ同州一帯を支配するようになった。1631年、イギリス国王チャールズ1世はローマカトリック教信者のセシル・カルバート・ボルティモア男爵に同一帯を賦与した。1635年にカルバート卿は200名のカトリック教徒を従え入植するが、土地の所有や権力を巡り同地一帯を治めるプロテスタント系の州議会と対立。入植者たちは1775年に独立戦争を起こし、1784年パリ条約が同州の議事堂にて批准され、合衆国が正式に誕生した。
 
しかしその後、1812年戦争と呼ばれるイギリスとの争いが再び勃発。戦いに勝利したアメリカ軍が掲げた星条旗をフランシス・スコット・キーが仰ぎ、「星条旗」という詩を詠み、後にアメリカ国歌となった。

21世紀を担う先端技術産業の中心

同州はデジタル・ハーバーと呼ばれる情報技術、航空宇宙工学、通信関連やバイオテクノロジー産業の中心地である。なかでもモンゴメリー・カウンティーは全米3位のバイオテックセンターで、ヒト遺伝子の情報解析に貢献したセレラ・ジェノミック社などが研究所を構える。米国食品医薬品局など、19の国立研究所も同カウンティーに集中。ジョンズ・ホプキンス大学を始め57校もの高等教育機関や研究所もあり、21世紀を担う生命科学の首府として注目を集めている。
 
首都ワシントンDCのすぐ隣に位置するため、同州は政治色の濃い地域でもある。大統領の山荘キャンプ・デービッドは周囲から隔絶されたカクティン山中にある。この山荘では、エジプトとイスラエルの和平成立が実現した1978年の会談を始め、重要な会談が数多く行われた。ワシントンDCから近い地域はニューメリーランドと呼ばれ、連邦政府の職員や高級官僚のベッドタウンとなっている。

 

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