今年も残り約2カ月となり、来年の確定申告に向けて、対策 今年も残り約2カ月となり、来年の確定申告に向けて、対策を考え始めている人もいるかもしれません。今からできる税を考え始めている人もいるかもしれません。今からできる税 金対策にはどのようなものがあるのでしょうか?今回は、金対策にはどのようなものがあるのでしょうか?今回は、年末までに可能な投資利益の税金対策をご紹介します。
投資で大きな含み益(時価が購入額よりも高い状態)を出した人は、次のような方法で税金対策ができます。来年の確定申告に反映させるには、いずれも年内に行う必要があります。
損切り
キャピタルゲイン(投資利益)は、キャピタルロス(投資損失)と相殺できます。もし、キャピタルゲインが多い場合、含み損(時価が購入額より低い状態)のある株式を売却してキャピタルロスを確定させ、利益を減らせます。また、相殺結果がマイナスになった場合、他の収入と相殺できます。
例1:2016年のキャピタルゲインが1万ドルで、キャピタルロスが7,000ドルだったとすると、相殺で3,000ドルのキャピタルゲイン(10,000ドル-7,000ドル)になります。本来、1万ドルに対して課税されるところを、3,000ドルまで下げることができます。
例2:2016年のキャピタルゲインが1万ドルで、キャピタルロスが1万6,000ドルだったとすると、相殺で6,000ドルのキャピタルロス(10,000ドル-16,000ドル)が出ます。キャピタルロスのうち最大3,000ドルまでは当年度の他の収入と相殺でき、この3,000ドルは非課税になります。
つまり、仮に2016年の収入が3万ドルなら、相殺に使った3,000ドルは非課税、残りの2万7,000ドルが課税対象となり、課税対象収入を減らせるのです。また、残りのキャピタルロス3,000ドルは、翌年に持ち越して同様に他の収入と相殺できます。
株式の譲渡
次に、株式譲渡による対策です。次の2点に注意してください。
①譲渡額が年間1万4,000ドルを超える場合は、贈与税の対象となります。
②子どもに譲渡し、損切りをしてキャピタルゲインが2,000ドルを超えた場合、両親の税率が適用されます(この場合の子どもとは、18歳未満の子ども、あるいは24歳以下のフルタイムの学生を指します)。
例えば、子どもに株式を譲渡してから売却し、6,000ドルのキャピタルゲインが出たとします。2,000ドルには子どもの税率が、4,000ドルには両親の税率が課せられます。これで全体的に税金を抑えられます。
株式の寄付
株式を寄付するという選択肢もあります。例えば、キャピタルゲインが1万4,000ドルの株式(時価2万ドル-買値6,000ドル)を持っているとします。このままだと1万4,000ドルに課税されますが、この株式を丸ごと寄付すれば2万ドルが控除の対象となります。
特に、学校や母校に毎年一定額の寄付を約束している人には有効で、寄付を現金で払わずに済む上、数年分を一度に納めることもできます。例えば、毎年1万ドルの寄付を約束している場合、2年分を一度に納めたことになり、翌年に寄付をする必要はありません。
Wash-SaleRule(空取引ルール)
年末の損切りは一般に広く普及しています。しかし、簡単に税金をコントロールできないよう、国税庁(IRS)も対策をしています。「Wash-SaleRule」とは空取引を認めない法律で、売却日の前後30日以内に同一銘柄の株式を購入した場合、そのキャピタルロスを控除できない、と定めています。
(2016年10月16日号掲載)
年末の税金対策
2014年のアメリカ株式市場は、前年度同様、大変良好でした。ニューヨークダウは08年のリーマンショック以降高値を更新し続け、それにつられるように日経平均株価も上昇を続けています。この好景気の波に乗り、投資で大きな含み益(売却前に時価が購入額よりも高くなっている状態)を上げている方も多いと思います。今回は、年末までに可能な投資利益の税金対策をいくつか紹介したいと思います。
損切りによる税金対策
市場が上昇を続ければ、必ずささやかれるのが株価の大暴落です。多くの評論家がいつ起こってもおかしくない状態であると言っているのを、新聞などで頻繁に目にします。その「まさか」が起こる前に、利益を確定させておきたい方も多いのではないでしょうか。
キャピタルゲイン(投資利益)は、キャピタルロス(投資損失)と相殺することが可能です。キャピタルゲインが大きい場合、含み損のある株式を売却してキャピタルロスを確定させることで、利益を減らすことができます。相殺した結果がマイナスの場合でも、最大3000ドルまでは他の収入と相殺することが可能です。それを上回るキャピタルロスが生まれたら、翌年に持ち越すことも可能です。
キャピタルゲインが1万ドルの場合
[例]2014年のキャピタルゲインが1万ドルとします。このままだと1万ドルに対して課税されてしまうので、年末に含み損のある株式を売却して、8000ドルのキャピタルロスが出たとします。それによって、キャピタルゲインが2000ドル(1万ドル-8000ドル)まで下がります。もしキャピタルロスが1万5000ドルであれば、5000ドル(1万5000ドル-1万ドル)のキャピタルロスとなり、3000ドルは当年に他の収入と相殺され、残りの2000ドルは来年以降に持ち越されます。
資産の譲渡による税金対策
多くの物件に投資している方はその中から損切りできるかもしれませんが、そこまで多くの投資をしている方は一般的には少ないでしょう。収入の低い家族に投資物件を譲渡、売却することが節税につながる場合がありますが、2点注意事項があります。
①譲渡する額が年間1万4000ドルを超える場合は贈与税の対象となる
②子ども(18歳未満、または24歳未満のフルタイム学生)に譲渡してキャピタルゲインが2000ドルを超えた場合は、両親の税率が適用される
16歳の子どもに譲渡売却した場合
[例]数年前に1万ドルの株式を購入して、その時価が1万8000ドルになっているとします。これを全く収入のない16歳の子どもに譲渡して売却した場合、8000ドルのキャピタルゲインが出ます。その8000ドルの最初の2000ドルは子どもの税率で、残りの6000ドルは両親の税率で計算され、全体を見ると税金を抑えることができます。
寄付による税金対策
キャピタルゲインによる大きな税金が避けられない場合は、寄付してしまうのも一つの選択肢でしょう。特に教会や母校などに毎年一定額の寄付を約束している場合は有効です。このような約束事をした場合は、絶対に支払わなければならないと法律で決められています。
含み益1万2000ドルの株式保有の場合
[例]含み益が1万2000ドル(時価2万ドル、買値8000ドル)の株式を持っているとします。翌年に株価下落が予想されるため、すぐに売却したいけれど、その税金が気になる場合は2万ドルの株式を丸ごと寄付することが可能です。毎年1万ドルの寄付を約束している場合は、2年分を一度に納められると同時に、所得控除の対象にもなります。
(2014年12月16日号掲載)
※本コラムは、税に関する一般的な知識を解説しています。個別のケースについては、専門家に相談することをおすすめします。ライトハウス編集部は、本コラムによるいかなる損害に対しても責任を負いません。