オバマ大統領のお父さんはケニア人。
さまざまなエスニックレストランのある南カリフォルニアでも、ケニア料理の店は一軒もない。
ケニア料理が食べたい!…と思っていたら、ついに登場したのです!
南カリフォルニア初のケニア料理!(*)
場所はアナハイム。
どうやらあのへんに小さいケニア・コミュニティーがあるらしい。
僕のケニア体験は一度だけ。マサイ族の居住地域にある、マサイ・マラというゲームリザーブで、サファリをしたときだった。
そのときの印象は、食べものがおいしかった!ということ。
とはいうものの、ゲームリザーブで観光客用のテントに泊まって食べた食事のことだから、ほんとのケニア料理を食べたことにはならない。
だから、ほんとのケニア料理を食べてみたい、と思っていたわけである。
ところが今回、このアナハイムのケニア・レストランで食べた料理は、あのマサイ・マラの料理、あのときのうまさそのものではないか。
つまり、マサイ族の料理人たちは、ぼくたち観光客用にも、ちゃんとケニア料理を作ってくれていたのだ。
それがわからなかったのは、ケニア料理といっても、特別珍しい材料や見たことのない料理がでてくるわけではないからだった。
牛肉や鶏肉のソテー、野菜の煮込み、白いゴハンやチャパティ。
その味が不思議なくらいうまい。材料に、自然で風味のいいものが多かったからかもしれない。
このアナハイムの店で、メニューに「フリーレンジ・チキン」があったので、頼んでみた。
チキンを焼いて、トマト、オニオン、シラントロをソテーしたものをからませただけのシンプルなもの。
だがこのチキンを食べておどろいた。
あの味だ。
「フリーレンジ・チキン」とか「Jidori」とかメニューに書いてある店はこのごろLAにもよくあるが、食べてみるとふつうのチキンとあまりかわらないことも多い。
ところがこの店の鶏は、肉の骨離れが悪い。噛むと強い弾力がある。チキンらしい香りがしっかりとある。これらはまさにホンモノの地鶏の証拠である。
マサイの村で飼っていたチキンをつぶして料理したかのような、工場生産のブロイラーとはまったくちがう味。
牛肉の料理も、高級な肉ではないが適度な脂身といい香りの煮込み。
バーベキューしたヤギ肉も、とってもケニアらしい。
野菜類がまたとてもうまい。
付け合わせのスクマ・ウィキ、つまりCollard Greenは、ケニアの家庭でもっとも一般的な料理らしい。そういえば、これはケニアのホテルでも毎日のようにでたっけ。
ワリ(Wali)は白いゴハンだから、この上にソテーした肉や野菜をかけて食べれば、日本人にはなんら違和感がないし、必ずうまいと思ってもらえる味だ。
そういえば、オバマ大統領を勝手に応援して世界で有名になった福井県の小浜市。
ケニア料理の店はあるんでしょうかね。
※アフリカの他の国や汎アフリカ料理の店はほかにもあります。
OCではココ!
「味」は30点満点、「予算」は二人分です
Kenyan Cuisine
南カリフォルニアで唯一のケニア料理レストラン。本文で書いたように味についてはかなりのレベル。さらに、サービスがすばらしい。とても愛想がよく親切なケニア人のウェイターが、面倒がらずにいくらでもメニューの説明をしてくれる。
デコアには高得点はあげられないかもしれないが、大画面TVでケニアの文化や踊りをずっと映しているので、ケニア料理を食べながら見ていれば、ケニア気分は否応もなく増大するはず。
味:22 予算:$40
2626 W. La Palma Ave., Anaheim
☎714-229-0409
Tue-Fri 5:00pm-10:00pm、Sat 11:00am-12:00am、Sun 11:00am-10:00pm
Closed on Mondays
(2009年11月16日号掲載)
ケニアで食べた味
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