バナナさえあれば

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Mr.世界(バナナさえあれば)

バナナ。単に「果物のひとつ」と片づけることはできない存在だ。
僕は宗教は持っていないが、これぞ神様が旅人のためにお作りになった食べ物なのではないか!?とさえ思う。
 
僕は世界を旅する。
衛生状態がとてもよくない国に行くこともしょっちゅうある。生水なんか決して飲めないというところはザラだ。
歯を磨くのもボトルの水だし、シャワーを浴びるときも口を一文字に結んで、湯が口に入らないようにする。
 
そんな国では、生野菜はもってのほかだし、果物だって決して安心できない。
食堂なんかで出される果物、たとえばメロンやパイナップルなどは、皮をむいてスライスされて出てくる。皮をむいたときのナイフにどんな菌がついていたかわからないし、生水の水滴がついてる可能性は十分ある。
 
そういうとき、バナナなら安心だ。 自分で、ナイフがなくったって、皮をむいて食べられる。
衛生の点を別にしても、この果物は、世界中どこの国に行っても、いつでも簡単に、そして安く手に入るというありがたさもある。
 
たとえばパパイヤなどのトロピカルフルーツは北国ではなかなかお目にかからないし、あったとしても高い。
そこへいくと、一年中どこの国に行っても普及しているのがバナナだ。
 
旅行していると、きちんとした食事をしている時間がないことがよくある。でもおなかはちゃんとすく。そういうときにバナナを何本か持ってさえいれば安心だ。
その点でもバナナの右に出る果物はない。
 
スイカを持って旅するのはたいへんですよね。
イチゴやミカンは潰れて、荷物のなかが汁だらけにならないとも限らない。リンゴもゴロゴロして荷物の中のおさまりが悪い。
 
旅人にとってありがたい点はまだある。車を運転しながら片手で食べられる。これも結構ポイントだ。
腹もちもいいし、カリウムとか繊維質とか、栄養の点でも文句ない。
ではバナナがおいしいところはどこだろう。
やはり、中米やカリブ海の島だ。
車で走っていれば、道端でバナナを売っている店をよくみかける。これを買って食べると非常にうまい。アメリカのマーケットで売っているバナナのように、青いまま採ってきてガスで熟させるなんてことをしていないからだろうか。
甘さと、なによりもバナナらしい芳香が強い。
 
中米といえば、バナナの親戚プランテーン(Plantain)。これはバナナの熟していないものだと思っている人もいるかもしれないけれど、別ものだ。中米ではイモのかわりにプランテーンを肉のつけあわせにしたり、スープにいれたりして食べるところが多い。
キューバに行ったときには、チップスのようにカリカリにしたものをBBQポークといっしょに食べたが、えらくうまかった。
中米では赤いバナナもよく売っていて、これがまた特別にうまい。
土地の人に聞いたのだが、赤いバナナは男性にとって男性たるユエンの力がつくのだそうだ。
残念ながら、それを身をもって立証する機会はいまのところないですけど。
 
LA&OCではココ!「予算」は2人分です
 
Crème de la Crêpe
一軒だった店が六軒まで増えた人気のクレープ屋さん。ほんものの蕎麦粉のクレープを中心に、デザートにはバナナを使った小麦粉のクレープもある。
予算:$60
400 E. 1st St., Long Beach(他のロケーションはウェブサイトで確認)
☎562-437-2222 www.cremedelacrepe.com 
Daily 8:00am-10:00pm
Open 7 Days
 
Chaya Venice
カリフォルニア料理の元祖のひとつで、日系の店。ベニスであいかわらずの人気店。デザートにバナナケーキあり。
予算:$100
110 Navy St., Venice
☎310-369-1179 www.thechaya.com
Lunch: Mon-Fri  11:30am-2:30pm
Dinner: Mon-Thu  6:00pm-10:30pm
Fri & Sat  6:00pm-11:00pm
Closed on Sundays
 
(2011年9月16日号掲載)

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