「ブタはよーく火を通して食べなさい!」と、こどものころからいつも聞かされてきましたね。
でも、アメリカのFDAが、「ピンクのポークを食べてもだいじょうぶ!」と発表したのを知ってましたか?
ブタの飼育方法がよくなったので、アメリカのコマーシャルルートで食べることのできるポーク、つまりレストランで食べるポークやマーケットで売っているものは、「無菌豚」と記されていなくても、完全に火を通さなくてもだいじょうぶなのだ。
これは僕のようなブタ好きにはとてもうれしいことで(じつは牛羊鶏鴨魚なんでも好きなんですけどね)、これによってブタはまえよりもぐっとおいしく食べることができるようになった。
ポークチョップなどのブタの料理は、まえから言われていたようにしっかり火が通って中が白くなるまで調理すると、固くてドライになってしまう。ところが62℃(145℉)くらいのピンクの状態でやめれば、柔らかくてずっとジューシーで、香りのいいポークを食べることができるのである。
これは豚肉のしゃぶしゃぶや韓国のBBQ(テジカルビ)も同じことだ。
ユダヤ教やイスラム教の方々にはおわかりいただけないと思うが、ブタはほんとにおいしい食べものだ。
栄養もよく、しかも牛肉とくらべても値段が安く、まったく違ううまさがある。
イスラム教国、それにインドをのぞいて、世界中で食べられるのはいうまでもない。
中国では、「肉」といえばすなわち豚肉のことだ。
中国にはうまいブタの料理がたくさんありすぎて、とてもここでは書ききれない。
ヨーロッパではドイツやオーストリア、チェコなどで、肉といえば豚肉がいちばん一般的だ。もともと森林国で広い牧草地帯がないから、牛や羊よりも豚が飼いやすかったのである。
とくに南ドイツ、これは世界でもブタのうまい地域の筆頭のようなもので、僕もミュンヘンに行くと、「Ripchen」(スモークしたポークリブ)とか「Eisbein」(豚の脚を茹でた料理)なんかをドイツビールといっしょに食べるのがとても楽しみだ。
広い土地がなくても飼うことができるということは、個人の家で家畜として豚を飼いやすい。その習慣は世界中にある。
たとえばポリネシア。ハワイでも観光客あいてによくやるが、サモアの個人の家で、伝統的なルアウに呼んでもらったことがある。土の中にバナナの葉と熱した石とともに丸ごと豚を埋めて、蒸し焼きにしたものだ。
これはうまかったです。
それのマネはできないが、我が家のパーティーで、豚の丸焼きをサーブしたことがなんどかある。
フィリッピンのパーティー料理、レチョンだ。
フィリッピン・レストランにあらかじめ注文しておいた一メートルほどの大きな子ブタ、まさに姿焼きで、テーブルの上になんだかわからないように布をかぶせて置いておき、みんなが集まったらパッと布をとって驚かす。
もちろん顔も脚もしっぽもついている。
みんなで囲んで、手で肉をもぎとりながら食べる。
うまい。夢中になる。
食べているうちに原始時代の遺伝子が騒ぎだす料理です。
LAではココ!「予算」は2人分です
Mosto Enoteca
モールの二階にある気持ちのいいイタリアン。Braciola di Maialeという黒ブタのポークチョップがピンクでジューシー、マスタードソースとうまくからんでとてもうまい。サービスもいい。
予算:$80
517 Washington Blvd., Venice
☎310-821-3035 www.mostoenoteca.com
Daily 5:30pm-10:30pm
Open 7 Days
Ham Ji Park
コリアタウンの中で、ブタ肉バーベキューのおいしい店のひとつ。黒ブタ、三枚肉など種類もいくつかある。ブタ頸肉を使ったカムジャタンも有名で、実際にとびきりうまい。活気があってソウルの繁華街で食べている気分になる店。
予算:$50
3407 W. 6th St. Suite 101C, Los Angeles
☎213-365-8773
Mon-Sat 11:00am-11:00pm
Sun 4:00pm-11:00pm
Open 7 Days
(2012年6月16日掲載)
ブタがますますおいしい
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