ライトハウス・サンディエゴ版編集長、吉田聡子が、サンディエゴ生まれのブランドを訪問。世界に羽ばたいた物から、ローカルにこだわる物まで、名品の背景にある物語を探ります。
San Diego Honey Company / サンディエゴ・ハニー・カンパニー
San Diego Honey Companyのはちみつは、ソラナビーチのファーマーズマーケットや、Sprouts Farmers Market、Jimbo’s…Naturally!などの店で販売されている。ブランド名のロゴマークに見覚えがある人も多いかもしれない。
ビジネスは2011年、レイチェル・アダムスがスタートさせた。はちみつ本来の栄養を損なわないよう、加熱加工せず、 最低限のろ過をしただけの生はちみつを製品化して販路を拡大し、ローカルで認知されるブランドに育て上げたのは創始者であるレイチェルだ。
現在のオーナー、リズアンはレイチェルと知り合いで、以前から手伝いをしていた。16年に、レイチェルがSan Diego Honey Companyを売却することを考えていると知って、迷うことなく購入を決めた。
「なんでかって? このはちみつが本当に好きだったからよ」とリズアンは笑う。
「自分が心から好きなものを売れる、こんな素晴らしいことはないでしょう?」。
幼い子どもの子育て真っ最中だったことも個人オーナーになる後押しとなった。働く場所や時間に融通を利かせたかったからだ。
「蜂は地球上で作られている農作物の受粉を担っているから、地球上の命あるものにとって必要不可欠な存在です。良質のハチミツを売ることは地元の養蜂家のサポートにもなるので、そこにもすごくこのビジネスの意義を感じています」。
はちみつは蜜を採る花によって風味が異なるが、San Diego Honey Companyには花の違いに加えて、シナモンやバニラビーンズなどが入った商品もある。風味付けに加える材料もはちみつ同様に、地元産で非加熱処理のものに限定している。
なにげなくシナモンのはちみつを手に取ったら「わたしはそのはちみつはコーヒーに入れて飲むのが好き。オートミールに混ぜるのもおすすめよ」と間髪入れずアドバイスをくれた。どのお客に対してもそんな様子で、リズアン自身が本当に商品のファンで、日常で使いこなしているのだということがよく分かる。
彼女がオーナーになってから、はちみつを使った手作りのリップクリームや石けんが商品ラインナップに加わった。「こういうのを作るのが好きだったから作って売っているの」とリズアン。
何を聞いても「好きだから」という言葉が真っ先に飛び出してくることが印象に残った。なんだかいいなぁと思った。
3013 University Ave. #5, San Diego
☎ 619-508-5252
▶ Webサイト:https://sandiegohoney.com
*商品の取扱店はウェブで確認できます。オンラインでも購入できます。
(ライトハウス・サンディエゴ版 2017年5月号掲載)
※このページは「ライトハウス・サンディエゴ版 2017年5月」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。