アメリカ大学進学ガイダンス

将来のキャリアステップであるアメリカ大学進学について、サンフランシスコ・ベイエリアを拠点に、中・高校生の進学指導や大学生・大学院生のキャリア指導を行う教育コンサルタントが、大学進学の準備から、日本の大学との違い、奨学金制度などについて解説します。
 
コラムニスト:原田 誠
三菱総合研究所のコンサルタントを経て、渡米。進学とキャリアのコンサルタントとして、グローバルな活躍を目指す学生の指導と育成に携わるとともに、教育機関向けのコンサルテーションや講演活動を行っている。 筑波大学第三学群基礎工学類卒業、フロリダ大学ウォリントン経営大学院MBA修了。

原田 誠
原田 誠◎MACS Career & Education代表

ライトハウス電子版アプリ、始めました

デジタルSATの概要

(LA版2022年5月16日号掲載) SATはACTと同じく、大学受験でスコアの提出が可能なアドミッションテストです。SATを主催するカレッジボートは、既存の紙ベースで行われてきたSATを、コンピューターベースに切り替えると発表しました。 (1)デジタルSATのフォーマット コンピューターベースのテストには、リニア型とアダプティブ型があります。リニア型は、全 … »アメリカ大学進学ガイダンス「デジタルSATの概要」の続きを読む

大学の合否先送り戦略(2)受験生が取るべき対応

(LA版2022年4月16日号掲載) 大学の思惑 大学は、ボーダーラインの学生の合否をすぐに決めず、ウェイトリストに載せる、アーリーデッドラインからレギュラーデッドラインに先送るなどで、時間をかけて学生を選ぶようになったと前回お話ししました。今回は、受験生が取るべき対応方法を解説します。 大学が合否判断を先送りする目的の一つが、入学意思の見極めです。大学は、 … »アメリカ大学進学ガイダンス「大学の合否先送り戦略(2)受験生が取るべき対応」の続きを読む

大学の合否先送り戦略(1)パンデミック後の現状

(LA版2022年3月16日号掲載) アメリカの大学のアドミッションは、常に変化し続けています。中でも、最近、受験生を悩ませているのが、各大学の合否先送り戦略です。 ウェイトリストの積極活用 一昔前まで、アプライした大学から学生が受け取る結果は合格か不合格だけでした。しかし、近年、各大学がウェイトリストを積極的に活用するようになりました。ウェイトリストとは、 … »アメリカ大学進学ガイダンス「大学の合否先送り戦略(1)パンデミック後の現状」の続きを読む

難関化する州立大学

(LA版2022年2月16日号掲載) パンデミック以降、州立大学が難関経験化したと耳にします。実際、2020-21年経験度のアドミッションでは優秀な学生が経験州立大学に合格できないケースが多く経験見受けられました。なぜ州立大学が難関化したのか、原因を探ります。 アプリケーションの増加 21年秋入学のUniversity of California(以下UC) … »アメリカ大学進学ガイダンス「難関化する州立大学」の続きを読む

音楽専攻学生の大学選び

(LA版2022年1月16日号掲載) 今回は、アメリカの大学で音楽を学びたい学生の大学選びについてご説明します。音楽を主専攻とする学生の進学先は、コンサバトリー(音楽学校)と大学の音楽学部の2つに大別できます。コンサバトリーは音楽を専門に学びたい学生に魅力的です。一般教養も含め、学習の大半が音楽に関わる内容で、音楽漬けの学生生活が送れます。ニューヨークのJu … »アメリカ大学進学ガイダンス「音楽専攻学生の大学選び」の続きを読む

新世代の高等教育 パンデミック後の大学教育の進化

アメリカの高等教育は、これからの時代にふさわしい教育を模索しています。パンデミックは、大学教育を見直すきっかけになったと言えるかもしれません。 普及したオンライン教育 アメリカの大学教育は、2020年3月に全てオンラインに移行しました。20年の秋学期から対面授業を行ったリベラルアーツカレッジの対応力が高く評価された一方で、長期のオンライン対応を余儀なくされた … »アメリカ大学進学ガイダンス「新世代の高等教育 パンデミック後の大学教育の進化」の続きを読む

Common App 最新情報 (3)パンデミックの影響

Common Appは、全米約900校が採用する大学の共通アプリケーションシステムです。2020-21年度は、105万人の学生がCommon Appを利用して600万件のアプリケーションを提出しました。Common Appが20-21年度の提出状況を公表したので、パンデミックがどのようにアプリケーションに影響を及ぼしたかを紹介します。 居住地域による影響 2 … »アメリカ大学進学ガイダンス「Common App 最新情報 (3)パンデミックの影響」の続きを読む

Common App 最新情報 (2)変更点および記入方法

大学出願アプリケーションの中でも、最も多くの大学に採用されているCommon Appは、毎年8月1日に新年度版を出します。各大学のアプリケーションの締め切りや、各大学が個別に提出を要求するエッセイの内容などがアップデートされますが、今年はそれに加え、個人情報を記入する欄に変更がありました。主なものを紹介します。 LGBTQ+学生への対応 性別欄は、回答必須の … »アメリカ大学進学ガイダンス「Common App 最新情報 (2)変更点および記入方法」の続きを読む

Common App 最新情報 (1) アプリケーションの概要

Common Appとは アメリカの大学では、出願書類をオンラインで受け付けるのが一般的です。近年は複数の大学で共通で利用できるアプリケーション・サービスを採用する大学が増えています。中でも、最も多くの大学に採用されているのが「Common Common Appは、非営利団体によって運営されています。2020-21年度は、105万人の学生がCommon Ap … »アメリカ大学進学ガイダンス「Common App 最新情報 (1) アプリケーションの概要」の続きを読む

パンデミック後のキャンパスツアー活用方法

理想の大学に巡り合うには、なるべく多くの大学を訪問して比較検討するのがベストです。キャンパスツアーに参加することにより、大学への理解が大いに深まります。2020年春以降キャンパスツアーを中止していた大学も、パンデミックの収束とともにツアーを再開するところが増えてきました。今回は、キャンパスツアーに参加する際の事前準備についてお話しします。 1.訪問する地域と … »アメリカ大学進学ガイダンス「パンデミック後のキャンパスツアー活用方法」の続きを読む

エンジニアを目指す学生の大学選び

理数系が得意な学生の中には、将来エンジニアとして社会で活躍したいと考える人も多いと思います。STEM分野は、大学の専攻でも人気が高く、各大学がさまざまなプログラムを提供しています。今回は、エンジニアを目指す学生が、大学選びで考慮すべき点をまとめました。 大学院進学を考慮した大学選び 学部教育は幅広い教養を身に付け基礎学力を高めることが主目的で、専門分野を極め … »アメリカ大学進学ガイダンス「エンジニアを目指す学生の大学選び」の続きを読む

全米で注目されるUCのテストブラインドアドミッションと今後

2021年5月14日、カリフォルニア大学群(UC)はアドミッションでSATとACTを完全に排除することに同意しました。これにより、約1年半にわたる争いに終止符が打たれました。この同意は全米の大学に大きな影響をもたらすと考えられます。 UCのテストブラインドへの経緯 19年12月、UCが学校区や人権擁護団体などから、テストを必須要件とすることは不当な差別である … »アメリカ大学進学ガイダンス「全米で注目されるUCのテストブラインドアドミッションと今後」の続きを読む

2020-21年度の大学アドミッション総括

少し前の本コラムで、UC(カリフォルニア大学)のアプリケーションが16%増加したことや、難関大学のアーリーデッドラインのアプリケーションが大幅に増えたと伝えました。5月を過ぎ、各大学の合否がほぼ出そろったので、今年度のアドミッションを総括します。 難関大学の競争激化 アイビーリーグなど難関校のアプリケーションの増加は、レギュラーデッドラインでも続きました。ス … »アメリカ大学進学ガイダンス「2020-21年度の大学アドミッション総括」の続きを読む

高校生のうちに確認したい、満足のいく大学生活を送るための条件

アメリカの大学を目指す受験生にとって、5月1日は特別な日です。大学の結果は3月末にほぼ出そろうので、合格校の中から進学する大学を選び、デポジットを払い、大学の籍を確保します。その締め切りが5月1日です。進学コンサルタントの私にとっても 5月1日は特別な日ですが、これで終わりではありません。入学から1年目を終えるまでを見届けます。1年目を無事に乗り切れれば、卒 … »アメリカ大学進学ガイダンス「高校生のうちに確認したい、満足のいく大学生活を送るための条件」の続きを読む

これからの大学アドミッションテスト

アメリカの大学のアドミッションは、パンデミックの影響で変化が加速しています。その影響を大きく受けているのがSATとACTです。今回は、SATの今後についてお話しします。 SAT Subject Testの廃止 カレッジボードは、2021年1月にSAT Subject Testを廃止すると発表しました。カレッジボードが実施するアドミッションテストは、SATとS … »アメリカ大学進学ガイダンス「これからの大学アドミッションテスト」の続きを読む

2020-21年度の 大学アドミッション速報

2021年に卒業を迎える12年生は、パンデミックの中で進学準備を行い、アプリケーションを提出しました。受験したい大学を事前に訪問できず、またアドミッション・テストがキャンセルになるなど、進学準備は困難を極めました。一方、アメリカの大学にとっても難しいアドミッションとなりました。20年春のロックダウンの影響で11年生のGPAがない生徒をどう評価するのか、どうす … »アメリカ大学進学ガイダンス「2020-21年度の 大学アドミッション速報」の続きを読む

LD(Learning Differences)101② 学習に問題を抱える生徒の大学進学

大学進学に不安やストレスを感じるのは、高校生なら誰でも経験することですが、学習に問題を抱える生徒(LD: Learning Differences)にとって、その苦悩は並大抵のものではありません。日々の学習もさることながら、自分はアドミッションでどう評価されるのか、大学に進学した後も今まで通り学習が続けられるのかなど悩みは尽きません。アメリカでは、障害を持つ … »アメリカ大学進学ガイダンス「LD(Learning Differences)101② 学習に問題を抱える生徒の大学進学」の続きを読む

LD(Learning Differences)101①学習障害を抱える生徒の支援

全米では5人に1人は学習や注意力などに何らかの問題があると、NCLD (National Center for Learning Disabilities:国立学習障害センター)は指摘しています。読む、聞く、話す、書く、計算する、推論するなど、学習に必要な能力の中で著しく苦手な分野があることを、連邦法の IDEA(Individuals with … »アメリカ大学進学ガイダンス「LD(Learning Differences)101①学習障害を抱える生徒の支援」の続きを読む

テストブラインド・ムーブメント

大学のアドミッションは日々変化していますが、2020年のテストブラインド・ムーブメントは、全米の大学に大きな変革をもたらしていると言えるでしょう。2020年1月1日時点で、全米でテストブラインド(SATやACTのスコアをアドミッションで一切考慮しない)大学は、マサチューセッツ州の Hampshire Collegeただ1校でした。 … »アメリカ大学進学ガイダンス「テストブラインド・ムーブメント」の続きを読む

コロナ禍におけるアスリート学生の進学

高校スポーツの現状 新型コロナウイルスのパンデミックは、アスリートとして大学進学を目指す高校生にも影響を及ぼしています。全米でアスリートとして活動している高校生は約800万人、その中でNCAA(全米大学体育協会)のアスリートになれるのは約46万人、わずか6%です。この6%に入るため、高校生アスリートは日々トレーニングを重ね、試合で結果を残 … »アメリカ大学進学ガイダンス「コロナ禍におけるアスリート学生の進学」の続きを読む

大学のスポーツビジネス

大学スポーツの収益 テキサス州知事は、2020年秋に行われるカレッジフットボールの試合の観客数は定員の50%に制限されるだ ろうとの見通しを示し、話題になりました。テキサス大学が使用するテキサス・メモリアル・スタジアムの定員は9万5594人、テキサスA&M大学が使用するカイルフィールドの定員は10万2733人です。新型コロナウイル … »アメリカ大学進学ガイダンス「大学のスポーツビジネス」の続きを読む

カリフォルニア大学の新アドミッション戦略

2020年5月、カリフォルニア大学(以下UC)のナポリターノ学長は、5年計画でSATとACTを廃止し、これに代わる テストを開発する計画を提示しました。今回は、全米が注目する同大学のアドミッション戦略について解説します。 テストオプショナルのトレンド SATやACTの点数は、一般的にマイノリティーや低所得者層で低い傾向があり、テストの義務付け … »アメリカ大学進学ガイダンス「カリフォルニア大学の新アドミッション戦略」の続きを読む

秋学期を対面授業で行うウィリアムズ・カレッジ

2020年の春からオンラインで授業を行ってきたアメリカの大学は、秋学期から学生をキャンパスに戻す方法を模索してきました。  マサチューセッツ州の名門リベラルアーツカレッジ、ウィリアムズ・カレッジのモード・マンデル学長は、「人のいないキャンパスはウィリアムズではない」と、20年秋学期は対面授業で行うことを6月中に明言し、準備を進めてきました。学生数2000人の … »アメリカ大学進学ガイダンス「秋学期を対面授業で行うウィリアムズ・カレッジ」の続きを読む

4年制大学への トランスファー(転入)の実態

アメリカの大学の特徴のひとつに、他大学への転入学(トランスファー)制度が挙げられます。National Student Clearinghouseの調査によると、アメリカの2年制と4年制の大学生の37%が他大学への転入を経験し、さらにそのうちの45%が転入を2回以上経験しているそうです。また、2020年から数年間は転入希望者が大幅に増えるというのが、大学関係 … »アメリカ大学進学ガイダンス「4年制大学への トランスファー(転入)の実態」の続きを読む

2020年秋、大学入学を延期するべきか

「2020年秋に大学に進学するのは正しい選択でしょうか」という質問を多く受けます。新型コロナウイルスの収束時期が不明確であることから、今春高校を卒業して進学する大学が決まっていても、入学の延期を検討する学生が増えています。今回は、今秋の入学を延期するべきかどうかについて解説します。 秋学期もオンラインか? 高校の授業が突然打ち切られ、卒業式の … »アメリカ大学進学ガイダンス「2020年秋、大学入学を延期するべきか」の続きを読む

教育界の新型コロナウイルスへの対応

今春、新型コロナウイルスが高校生の進学準備に大きな影響を及ぼしました。今回は、教育機関がどのような対応を行っているかを解説します。 デッドラインの延長 2020年秋の大学進学を目指すハイスクールのシニアにとって、今回のパンデミックは最悪のタイミングと言わざるを得ません。受験生が進学先を決めるデッドラインは、5月1日です。通常、アプライした大学の結果は3月末に … »アメリカ大学進学ガイダンス「教育界の新型コロナウイルスへの対応」の続きを読む

SAT Subject Testの必要性

2020年初頭に、Harvey Mudd CollegeとCaltech (California Institute of Technology)が、次年度からSAT Subject Testのスコア提出を受験要件から外すと発表しました。これにより、アメリカでSAT Subject Testの受験を義務付けている大学は、MIT(Massachusetts I … »アメリカ大学進学ガイダンス「SAT Subject Testの必要性」の続きを読む

高校卒業後のギャップイヤー

多くの高校生は、 高校を卒業したらすぐ大学に進学するのが当たり前だと考えています。 大学で学びたい強い意思がなくても、 保護者から大学進学を期待されたり、 他に具体的な選択肢がなかったりと、消極的な理由で大学進学を選ぶ学生も少なくありません。一方で 高校卒業後、さまざまな活動に取り組み、その後で大学に進学する学生もいます。 高校卒業から大学進学までの猶予期間 … »アメリカ大学進学ガイダンス「高校卒業後のギャップイヤー」の続きを読む

2020年、大学アドミッションのトレンド

アメリカの大学進学を取り巻く環境は、日々変化しています。 2019年はアドミッションのスキャンダルがニュースで取り沙汰されるなど、 アメリカの入試制度への関心が高まった年でした。20年は、 過去10年間の変化が加速する年になりそうです。今年予想されるアドミッションのトレンドをご紹介します。 難関大学のアドミッションテスト離れ 20年は、 アドミッションテスト … »アメリカ大学進学ガイダンス「2020年、大学アドミッションのトレンド」の続きを読む

アメリカの革新的でユニークな大学

アメリカには、従来の教育システムに縛られることなく、より革新的な教育に取り組む大学があります。今回は、アメリカの高等教育にパラダイムシフトを起こすユニークな大学をご紹介します。 自由に履修ができる大学 University of Rochester(私立総合大学Rochester, NY) ロチェスターには、一般教養の必修科目はありません。 必ず履修しなけれ … »アメリカ大学進学ガイダンス「アメリカの革新的でユニークな大学」の続きを読む