Common App 最新情報 (2)変更点および記入方法

ライトハウス電子版アプリ、始めました

大学出願アプリケーションの中でも、最も多くの大学に採用されているCommon Appは、毎年8月1日に新年度版を出します。各大学のアプリケーションの締め切りや、各大学が個別に提出を要求するエッセイの内容などがアップデートされますが、今年はそれに加え、個人情報を記入する欄に変更がありました。主なものを紹介します。

LGBTQ+学生への対応

性別欄は、回答必須の項目(LegalSex)と任意の項目(Gender)に分かれています。必須の項目に、以前は「Sex at Birth」と書かれていましたが、トランスジェンダーの学生に配慮して、アプライ時点での「Legal Sex」を書くように変更されました。任意の項目では、「Female」「Male」「Nonbinary」から選べるだけでなく、自分を表すのに適したジェンダーを自由に表現できるようになりました。さらに、大学が学生とのコミュニケーションの際に使用する代名詞についても、「He/Him」「She/Her」「They/Them」などから選べます。

米国外出身の学生への対応

法律上の氏名に加えて、自分が呼んでもらいたいファーストネームを伝えられるようになりました。米国外出身の学生など、英語圏の人が呼びにくい名前の学生が、大学の担当者から自分が希望するニックネームで呼んでもらうことができます。法律上の名前から連想される性と、自分の性が一致しないLGBTQ+の学生にも配慮しています。

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また、複数の言語を話す学生が、言語能力をより的確に示せるようになりました(右図参照)。これまで母国語(First Language)は一つしか選べませんでしたが、今後は複数の言語を母国語に選べます。日本語と英語のバイリンガルの学生にとっては朗報です。

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さらに、米国滞在のステータスの選択肢も多く用意されています(右図参照)。非移民ビザ(就労や留学のためのビザ)で滞在している学生は、選択肢一番下の「Citizen of Non-U.S.Country」を選びます。これを選択すると、ビザの種類や番号、発行日などを聞かれ、最後に、他のビザにアプライする予定があるかを聞かれます。グリーンカードを申請中または申請予定の学生は、そのことを書きたくなるかもしれませんが、ここは、あえて書かないことをお勧めします。非移民ビザの学生は、外国人留学生と同等に扱われるため、アドミッションで有利になるからです。グリーンカードを申請中と示すことにより、せっかくの有利な条件を失うリスクを負うのは得策ではありません。

推薦状の手配

大学にアプライする際、高校の先生などが推薦状を出すことも多いですが、その手配もCommon Appで行います。学生は、Common Appの「Recommenders & FERPA」のリンクから推薦状を書いてくれる人を招待します。招待された推薦者はCommonAppのアカウントを作り、そのアカウント上で推薦状を作成します。推薦者は、学生がアプライする全ての大学に同じ推薦状をオンラインで提出できます。

大学とのコミュニケーション

Common Appでは、自分が興味を持った大学のリストを作れます。そして、自分の情報を大学と共有することを許可すると、リストの大学から連絡が来るようになります。アメリカの大学進学は、年々双方向化が進んでいます。アプリケーションを出す前からアドミッション担当者とやりとりをしながら、自分に合う大学を探すことをお勧めします。(2021年10月16日号掲載)

海外に暮らす学生のための「日本の大学への進学&留学ガイド」サイト

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