(2022年11月16日号掲載)
アメリカの大学では入学審査でアドミッション・インタビュー(面接)を行う場合があります。今回は、面接の受け方についてお話します。
オンラインが主流の面接
面接は、大学のアドミッション担当者が行うこともありますが、多くの大学は卒業生に面接官を依頼します。卒業生との面接は、大学職員の視点ではなく卒業生の視点で話が聞ける点で学生にとって価値のある方法です。また、大学はアドミッション担当者の時間を割かずに数多くの面接ができるため、広く活用されています。面接は一対一で、30分程度が一般的です。
面接は、オンキャンパス、オフキャンパス、オンラインの3通りがあります。オンキャンパスの面接は、自ら大学に出向いて、アドミッション担当者と話をします。面接を受けるためだけにキャンパスを訪問する学生は少ないですが、大学見学のついでに面接を受けることは可能です。オフキャンパスの面接は、卒業生との面接でよく利用されます。大学から紹介された近所に住む卒業生に連絡を取り、Starbucksなどで待ち合わせて面接をします。オンラインの面接は、Zoomなどのオンライン会議システムを利用します。新型コロナウイルスのパンデミック以降は、オンラインの面接が主流となりました。
アドミッションにおける面接の重要度
面接をどの程度重視するかは、大学により異なります。面接を重視する大学では、面接を希望するほとんどの受験生が受けられますが、受験生が多い大学では、一部の学生しか受けられない場合があります。ただし、面接を重視する大学でも、その評価は合否を左右するほど大きなものではありません。
一方、Georgetown University(DC)のように、全ての受験生に面接を義務付ける大学はもちろんのこと、University of Rochester(NY)やCollege of the Holy Cross(MA)のように、面接を強く推奨する大学にアプライする際は必ず受けましょう。この場合は、面接を受けないと確実に不利になります。
大学が面接を行う時期と目的
アプリケーションの提出後に面接を受け付ける大学もあれば、アプリケーションの提出前から面接を予約できる大学もあります。例えば、CaseWestern Reserve University(OH)は、11年生が終わった後からアプリケーションを提出するまでの間に面接を受けることを推奨しています。
面接は、大学が学生を評価するだけではなく、学生に大学を評価する機会を提供する側面も重要です。大学は進学を強く希望する学生、すなわち関心度の高い学生を優遇する傾向があり、その関心度を測る手段の一つとして面接が利用されます。一方、大学が学生に評価してもらいたい点は相性です。面接で大学について理解を深め、自分に合うかを判断してもらうことも重要なのです。
University of Chicago(IL)やBrown University(RI)のように、面接の代わりに、2分間の自己紹介動画を受け付ける大学もあります。また、Loyola Marymount University(CA)のように、フォーマルな面接は行わないものの、アドミッション担当者との面談を推奨する大学もあります。
面接は自分からリクエスト
面接は、自分からリクエストするのが一般的です。大学のウェブサイトの指示に従ってください。記載がなければ、面接が受けられるか確認することをお勧めします。また、面接には次の質問への答えを用意しておきましょう。
① Tell me about yourself.(自己紹介)
② Why are you interested in our college?(志望理由)
③ What can I tell you about our college?(質問)
重要なのは、3番目の質問を多く用意することです。面接がこちらからの質問だけで終わっても問題ありません。面接の主目的は学生の関心度の見極めと、学生に大学との相性を確かめてもらうことで、その目的はすでに十分果たされているからです。最も大切なことは会話を楽しむこと。進学する可能性のある大学の詳しい話が聞けるのは有意義なことです。積極的に面接を受け、会話を楽しんでください。
(2022年11月16日号掲載)
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