英語で学べる海外の大学③スウェーデンの大学

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アメリカで学ぶ高校生が進学するのに適した大学が、アメリカの大学とは限りません。英語で学べる大学は世界中にあり、国外で学ぶアメリカ人学生は年々増えています。今回は、質の高い教育とグローバルな学習環境に定評のあるスウェーデンの大学をご紹介します。

 

スウェーデンの大学の特徴

スウェーデンには、博士号を授与する研究系の大学であるUniversitet(University)と、それ以外の大学であるHögskola(University College)の2種類の大学があります。ただし、プログラムに大きな違いはありません。スウェーデンの大学は、秋と春の2セメスター制を採用しています。
 
ノーベル賞を引き合いに出すまでもなく、幅広い分野で研究に力を入れている国として、スウェーデンは知られています。GDPに対する研究開発投資額は世界でもトップクラスであり、どの大学も研究に力を入れています。
 
また、スウェーデンの大学では、学生が積極的に学び、自分の考えを表現することが求められます。講義形式のクラスは少なく、リサーチやグループワークを通じて、自発的に学ぶ機会が多く与えられているのです。アメリカの高校で、創造的思考や批判的思考を身に付けた学生にとって、その力を存分に発揮する機会を与えてくれる理想的な環境と言えるでしょう。
 
言葉の壁が低いのも、スウェーデンの大学の特徴で、英語で学べるプログラムを探すのに苦労することはありません。スウェーデンでは、ほとんどの人が英語を流暢に話すので、日常生活でも言葉で困ることはないでしょう。
 
スウェーデンでは、優秀な大学生を世界中から集めるため、近年まで全学生の授業料は無料でした。2011年以降は、EUとEEA圏外からの留学生に授業料を課すようになりましたが、一方で留学生を対象とした奨学金制度も充実させています。

 

スウェーデンの大学受験

スウェーデンの大学を外国人留学生として受験する場合は、University Admissionsin Sweden(universityadmissions.se)というオンライン出願システムを利用します。このシステムで、最大8大学(学部)に出願できます。複数の大学を受験する際は、優先順位(進学したい順番)を決め、先に優先順位が上位の大学に合格した場合、下位の大学の出願は自動的に削除されます。
 
入学審査は、セメスターごとに第1ラウンドと第2ラウンドの計2回行われます。専攻の数が多く、結果が早く分かることで余裕を持って滞在許可申請ができるため、留学生は第1ラウンドでのアプライが推奨されています。入学審査では、高校の成績に加え、AP(Advanced Placement)テストの成績も考慮されます。TOEFLやIELTS等で英語力を示す必要がありますが、アメリカの高校に4年間在籍、卒業した場合は免除されます。

 

スウェーデンで学ぶ価値

主なスウェーデンの大学

環境に興味がある学生にとって、スウェーデンはとても魅力的な国です。この国では、固形廃棄物の99%を再利用し、再生可能エネルギーの利用率はEUで最も高く、29の国立公園を有します。スウェーデンの自然に触れれば、この国がいかに真剣に環境保全と向き合ってきたかを感じられるでしょう。
 
テクノロジーに興味がある学生にとっても、スウェーデンは魅力的です。WIPO(世界知的所有権機関)が毎年発表している国際イノベーション指数で、スウェーデンはスイスに次いで2位であり、14位の日本を大きく引き離しています。小さな国ですが、H&MやIKEA、Spotifyなど、同国発祥の企業は世界の人々のライフスタイルに大きな影響を与えてきました。
 
スウェーデンに限らず、革新的な国はヨーロッパに数多く見られます。そのような国に足を踏み入れると、アメリカが決して世界の中心でもなければ、技術革新の進んだ国でもないことに気付かされるのではないでしょうか。そして、このような環境や経験こそが、グローバル人材を育てるのではないかと思います。
 
(2018年4月16日号掲載)

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